2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25871104
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 洋輔 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作基盤研究領域, 主任研究員 (40595071)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低温(春化)要求性 / 抽苔耐性 / 二年生 / テンサイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,二年生テンサイの低温要求性の分子機構を解明することである.昨年度は, AFLP法に基づくDNA多型の探索を試みた結果,BvBTC1と高い相同性を示す遺伝子領域が単離された.BvBTC1は,開花に春化を必要としない極早咲きの一年生を制御する遺伝子である.しかしこの遺伝子が二年生テンサイの低温要求性(抽苔耐性)へどの程度関与しているのか明らかでない.そこで本年度はBvBTC1の抽苔耐性への関与を調査した. ①遺伝変異の調査:遺伝的背景が多様な二年生15系統および一年生3系統のcDNAを用いてBvBTC1の部分シーケンスを決定したところ,4種類のハプロタイプ(a, d, f, g)の存在が確認された.dは一年生にのみに検出されたため,二年生には3種類のハプロタイプの発現が明らかになった. ②遺伝変異と抽苔耐性との関連性:3種類のハプロタイプ(a, f, g)を簡便検出できるCAPSマーカーを作成して,遺伝的固定化の進んだ35系統207個体の遺伝子型を解析した結果,上記の3種類のハプロタイプの組合せによって生じる6種類の遺伝子型が確認された.抽苔耐性が強い系統ほど,遺伝子型aaの頻度が高く(強78%,中53%,弱29%),fおよびgを持つ遺伝子型の頻度が低かった(p<0.01). ③遺伝変異と抽苔表現型との関連性:遺伝子型の分離が想定される7系統210個体を用いて,前述と同様の手法で遺伝子型と抽苔表現型(抽苔または未抽苔)との関連を推定した結果,各系統とも同一系統内で抽苔表現型と遺伝子型の変異が確認された.同一系統内の未抽苔個体と抽苔個体の遺伝子型頻度は各系統で異なり(p<0.01),②の結果と同様,未抽苔個体ほどハプロタイプaを持つ遺伝子型割合が高く,fおよびgの遺伝子型の割合が少ない傾向を示した. 以上より,BvBTC1のハプロタイプが二年生テンサイの低温要求性に大きな影響を及ぼしている可能性が明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年および平成26年に実施した研究により,BvBTC1遺伝子が二年生テンサイの低温要求性に大きく関与している可能性が明らかになった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年および平成26年に実施した研究により,BvBTC1遺伝子が二年生テンサイの低温要求性へ大きく関与している可能性が明らかになった.しかしながら,低温要求性(抽苔耐性)の表現型検定は屋外の気象条件等に左右される側面がある.そのため,平成27年度も引き続きBvBTC1と低温要求性の関連性についての解析を実施する.また,ひとつの遺伝子の効果だけでは解釈できない側面もあるため,今後も引き続き低温要求性に関与する新たな候補遺伝子領域の探索を行う.
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Causes of Carryover |
予算に余剰が生じたのは,目的とする遺伝子の探索が効率的に進んだことで,当初予定していたよりも少予算で研究が遂行できたからである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,申請時の計画通りに研究費を使用する.研究の進捗状況は概ね予定通りであるが,次年度使用額277,077円は,研究がうまくいかない場合を想定して準備していた実験の実施に必要であり,次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する.
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Research Products
(2 results)