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2013 Fiscal Year Research-status Report

ブタ精子幹細胞の単離・濃縮法および移植法の開発

Research Project

Project/Area Number 25871106
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionNational Institute of Agrobiological Sciences

Principal Investigator

千本 正一郎  独立行政法人農業生物資源研究所, 医用モデルブタ研究開発ユニット, 主任研究員 (60372661)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords精巣 / 精子形成 / ブタ / busulfan
Research Abstract

初年度である25年度では,必要となる周辺技術の開発を進めることを目的として以下2つの課題に取り組んだ。
《①ブタ精子幹細胞の単離・濃縮法の開発》ブタの精巣から細胞を分散・単離する手法を検討した。野生型交雑種のブタ新生仔(生後4週未満)の精巣を材料として実験を実施した。細切した精巣組織片を,collagenase,hyaluronidase,DNaseI等の細胞分散酵素を含んだ培養液中で処理すると,85%以上の生存した精巣細胞が回収された。また,酵素処理後にvortex処理すると細胞が効率的に分散され,また溶血剤で処理しても精巣細胞の生存率に大きな影響がないことがわかった。
《②レシピエントブタの移植前処理法の開発》ドナー精子幹細胞の生着効率を高めるためには,レシピエント精巣内の精子幹細胞数を減少させ,外来細胞が生着可能なスペースを確保する必要がある。そのため,精子幹細胞を死滅させることが知られるbusulfanでレシピエントブタを事前に処置した後,ドナー細胞の移植を試みる予定である。しかし,busulfanは同時に免疫抑制作用を有して造血系細胞にも影響を及ぼす。そのため,野生型交雑種のブタ新生仔(生後1-2週)を用いてブタにおけるbusulfanの至適投薬量を検討した。マウスやヒトにおける知見を参考に,総投与量(体重1kGあたりでbusulfan投与量を調整),1回の投与量, 1日の投与量をかえ,数パターンの投薬スケジュールを試行した。その結果,午前,午後に1回ずつ2日間,1回の投与量1mG/kG (計4回,総投与量4mG/kG)では,投薬開始10日後に白血球数および血小板数が正常値の半分程度に減少し,その後の継続飼育で25日後にそれらが正常値に戻ることがわかった。また,その条件で投薬した試験群は致死となることはなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

①ブタ精子幹細胞の単離・濃縮法の開発では,精巣からの細胞単離方法の検討を進めたものの,精子幹細胞の濃縮法を検討するには至っておらず,当初の予定より“やや遅れている”と評価した。②レシピエントブタの移植前処理法の開発では,投薬試験を実施し,busulfan投与豚の健康状態を害さない程度の至適投与量,投与スケジュールが明らかとなった。今後,busulfan投与豚から採取した精巣内の生殖細胞の状態を組織学的に観察する予定である。この課題の実施期間は2年を予定しているため,“おおむね順調に進展している”と評価した。

Strategy for Future Research Activity

ブタを含む哺乳類では個体の成長に合わせて造精器官である精巣が発育し,その間に精巣内の生殖細胞系列の分化段階やそれらの分布が大きく変化するため,精子幹細胞を単離するにあたって,どの時期の精巣を用いれば精子幹細胞を効率よく回収できるかが分からない現状である。そのため,ブタの精巣が発育,成熟する間の精細管内構造変化および生殖細胞系列の分布変化を経時的に観察する必要がある。よって新たな課題として,生後齢の異なる精巣を観察し造精時期や各分化段階の生殖細胞の分布変化を調べる。以上により,精子幹細胞を効率よく回収できる精巣の発育段階(週齢,月齢)の特定を試みる。次年度以降,上述の新たな課題を含め当初予定していた実験計画を遂行する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度の実支出額が本年度計画を遂行する上で十分であり,妥当な金額であった。それ以上の物品購入を控え,残金を次年度使用額として充てる。
RNA抽出用試薬,PCRポリメラーゼ等の遺伝子発現解析関連試薬が必要となる。また,パラフィン,エタノール等の固定標本作成時に必要となる試薬,消耗品類や,免疫組織化学的解析に使用する各種抗体や洗浄液類が必要となる。次年度経費はそれらの購入に充てる予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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