2013 Fiscal Year Research-status Report
アズキ近縁野生種を利用した超耐塩性アズキの作出と耐塩性遺伝子の同定
Project/Area Number |
25871107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小木曽 映里 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝資源センター, 特別研究員 (00646929)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 耐塩性 / Vigna属 / 自然変異 / RADseq |
Research Abstract |
1.超耐塩性アズキの作出 Na+蓄積型の耐塩性野生種V.riukiunensisおよびNa+排除型耐塩性V.nakashimaeの両耐塩性機構を栽培アズキに導入する。 本年度は、耐塩性QTLをより詳細に明らかにするために、唐人墓x宇久島の交雑後代F2を用いてRADseq(Restriction Site Associated DNA Sequence)による葉中のNa+量を指標としたQTL解析を行なった。今までの耐塩性の評価は塩処理後の枯死まで日数を指標としたSSRによるQTL解析であったため、今回の解析により耐塩性QTLのNa+吸収に関してより詳細な領域を特定した。また、超耐塩性アズキの作成のために、栽培アズキ京都大納言と唐人墓および京都大納言と宇久島の交雑後代耐塩性F3に京都大納言を戻し交雑をした複数の耐塩性BC1F1系統を栽培しBC1F2種子を得た。これらのBC1F2系統を展開して耐処理栽培を行い、耐塩性系統を複数得た。 2.V.nakashimaeの耐塩性遺伝変異の同定 V.nakashimaeのNa+排除能に関連する耐塩性遺伝子を同定する。 本年度は、京都大納言xV.nakashimaeの交配後代を展開し、塩処理栽培をすることで耐塩性の調査を行なった。葉中のNa濃度を測定したところ、V.nakashimeの耐塩性はNa+排除能だけでないことが示唆された。反復データを得るために挿し木による耐塩性評価も行なったところ、実生での結果とは異なるデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出産により3ヶ月間育児休暇を取っていたため、耐性アズキ作出のための交配が少し遅れているが、Na+排除能遺伝子の同定については、枯死率でなくNa濃度を指標に利用できるようになったため、今後、遺伝子単離のための時間短縮が見込める。
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Strategy for Future Research Activity |
V.nakashimaeのNa+排除能遺伝子の同定のためにBC2F2を展開し,RADseqのデータを元に作成したSNPマーカーを用いて候補領域を絞り込み、アズキゲノムを元に候補遺伝子を選定する。 超耐塩性アズキ作成のためにV.riueiuensisおよびV.nakashimae由来の耐塩性BC1F2系統を交配し、耐塩性の向上を確認する。耐塩性が確認された系統について栽培形質について調査しアズキを戻し交雑を行なう。 挿し木栽培による耐塩性試験を行うことで、同一個体由来の反復データを得られるが、実生を用いた結果とは耐塩性の判定が一致しなかったため、栽培時期の問題なのか生理的な問題なのか検証する。
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