2015 Fiscal Year Research-status Report
アズキ近縁野生種を利用した超耐塩性アズキの作出と耐塩性遺伝子の同定
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25871107
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Research Institution | 国立研究開発法人農業生物資源研究所 |
Principal Investigator |
小木曽 映里 国立研究開発法人農業生物資源研究所, ダイズゲノム育種研究ユニット, 研究員 (00646929)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 耐塩性 / 野生種 / RADseq / QTL |
Outline of Annual Research Achievements |
耐塩性野生種Vigna nakashimaeのゲノム解読を行い、ドラフトゲノムを完成させ、これを参照ゲノムをして野生集団のRADseqによる多様性解析をおこない、論文を作成しようとしたところ、ゲノムシーケンスに使用したサンプルが他の野生種とサンプルが入れ違っていた可能性が示唆された。入れ違っていたと考えられるサンプルが近縁野生種であったため、多様性解析の参照配列として使用可能であったが、ゲノム解読をやりなおす必要がある。RADseqデータから多型を検出し、GWASをおこなったが、明確なQTLを検出することができなかった。しかしながら、耐塩性をもつ野生種は地理的な分布が限られており分子系統的にも近いことから、耐塩性系統がもつ特有のゲノム領域を特定した。ドラフトゲノムを再度作成し、再解析する予定である。 耐塩性野生種2種間のQTL解析により耐塩性QTLが少なくとも3つ検出された。また葉内Na+濃度を測定することで、葉のNa濃度を上げるQTLが2つ、Na濃度を下げるQTLが2つ見つかった。耐塩性野生種V.nakashimaeは葉内Na+濃度を抑えるタイプの耐塩性をもち、V.riukiuensisはNa+を葉に蓄積するタイプであることから、それぞれの野生種に由来するQTLが検出されたと考えられた。枯死まで日数のQTLとNa+濃度に関するQTLは必ずしも一致しないことから、Na輸送とは別の耐塩性機構が存在していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
耐塩性野生種Vigna nakashimaeのゲノム解読を行い、ドラフトゲノムを完成させ、これを参照ゲノムをして野生集団のRADseqによる多様性解析をおこない、論文を作成しようとしたところ、ゲノムシーケンスに使用したサンプルが他の野生種とサンプルが入れ違っていた可能性が示唆された。入れ違っていたと考えられるサンプルが近縁野生種であったため、多様性解析の参照配列をして使用可能であったが、ゲノム解読をやりなおす必要がある
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Strategy for Future Research Activity |
再度全ゲノムシーケンスを行い、V.nakashimaeのドラフトゲノムを作成する。野生種間のQTL解析は、作成途中のアズキゲノムを参照配列として使用したため、最終的に発表されたゲノム配列とは物理位置が異なるため、物理位置の修正を行い、論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
ドラフトゲノムを作成するために全ゲノムシーケンスを実施したが、サンプルの入れ違いがあることが分かり、再度シーケンスを行う必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Vigna nakashimaeの全ゲノムシーケンスを行う。またデータ保存のためにハードディスクを購入する。
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Research Products
(1 results)