2014 Fiscal Year Annual Research Report
葉酸結合ペプチドアプタマーの創成による白血病細胞選択的な薬物送達システムの開発
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25871130
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
多田 誠一 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 基礎科学特別研究員 (30598165)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 葉酸 / 葉酸レセプターβ / ペプチドアプタマー / in vitroセレクション / リボソームディスプレイ / cDNAディスプレイ / 非天然アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は昨年度に引き続き、葉酸レセプターβに選択的に結合する葉酸含有ペプチドの選別に関連する検討を主に行った。まず昨年度における主要課題であった、葉酸分子をペプチドに含有させるための葉酸結合アミノフェニルアラニルtRNAの合成を行った。葉酸分子内に存在する2箇所のカルボン酸のうち一方のみを利用してアミノフェニルアラニンに選択的に結合させる必要があったが、葉酸分子を構成するプテロイン酸部位とグルタミン酸部位に分割して合成を進めることでこの課題を解決し、葉酸結合アミノフェニルアラニルtRNAの合成に成功した。当初の計画ではペプチドアプタマーの選別にはリボソームディスプレイ法を採用する予定であったが、葉酸修飾ランダムペプチドライブラリーを無細胞翻訳系によって生成させる際に生じる、未反応の葉酸化アミノフェニルアラニンがペプチドアプタマーの選別に影響を及ぼす可能性が浮上したため、残存物の除去が可能な他のペプチド選別法の検討を行った。今回はcDNAディスプレイ法と粒子ディスプレイ法の2種類の手法について、当課題への適用に向けた実験系の構築を行った。cDNAディスプレイ法はピューロマイシンを結合させたDNAリンカーを用いてmRNAと翻訳産物であるランダム配列ペプチドとを連結する手法であり、今回の検討によってリンカー分子を介した両分子の連結を確認することができた。粒子ディスプレイ法はリポソーム内に磁気ビーズと無細胞翻訳系を封入し、ビーズ上に鋳型DNAと翻訳されたランダムペプチドを固定化することで両者の連結を行う手法であり、今回の検討でリポソーム作製法の最適化とリポソーム内翻訳の確認を行った。以上の成果により、葉酸レセプターβ型に選択的に結合するペプチド鎖の選別法の構築に目処が立ったため、比較的早期に葉酸分子を含有したペプチドアプタマーの選別・目的配列の決定を達成できることが期待される。
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Research Products
(7 results)