2014 Fiscal Year Annual Research Report
効率的遺伝子変異導入の為の改良型人工ヌクレアーゼTALENの開発
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25871134
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 陽子 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (60584571)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | TALEN / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物病原菌XanthomonasのTALE(transcription activator-like effector)を基に開発された人工ヌクレアーゼTALEN(TALE-Nuclease)は、ゲノム編集の有効な手法として注目されている。しかし、変異導入効率が全般的に低く、細胞種・標的遺伝子によって大きく異なるという欠点があった。そこで本研究では、TALENを用いた高効率な変異導入方法の開発に資するため、新しいin vitroでのTALEN活性評価系の構築をおこなった。 本研究は、概ね研究計画で予定したとおりに進展した。 これまでTALENをはじめ人工ヌクレアーゼの活性評価としては、培養細胞や受精卵を用いたin vivoアッセイが広く用いられてきた。しかし、in vivoアッセイのみではTALENタンパク質の性質を十分理解するのは困難である。そこで平成25年度には、まず、活性のある組換えTALEN・TALEタンパク質の大量調製系を確立した。このTALENタンパク質を用いてin vitroでの標的DNA切断活性、TALEタンパク質を用いて標的DNA結合活性の評価系を確立した。これにより、我々の研究室で開発した改良型TALEN(Super-active TALEN)の活性評価が可能となった。 平成26年度には、これを更に発展させて、Super-active TALENの高活性化機構を検討した。25年度に開発した高純度大量精製法により得た標品を用いた物理化学的計測、円偏光二色性(CD)測定、動的光散乱(DLS)測定、X線小角散乱(SAXS)測定などにより、 TALEタンパク質の一部ドメインは天然変性状態にあり、DNA結合によって構造変化することが示唆され、溶液中での構造動態の違いが高活性化に寄与している可能性が示された。
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