2014 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞塊から細胞の種類と配置を制御して多種細胞集合体へ分化させる方法の確立
Project/Area Number |
25871140
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 慎治 北海道大学, 創成研究機構, 特任助教 (50462669)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | mRNA / 翻訳 / 光遺伝学 / タンパク質 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質発現の可逆的光操作法を使い多能性幹細胞の集合体において狙った細胞だけで分化誘導タンパク質を発現させ、目的の細胞へ分化させる方法を確立することが目的であった。タンパク質発現の可逆的光操作法とは、申請者が独自に開発したmRNAからタンパク質への翻訳を光で可逆的にスイッチングできる新しい光遺伝学の技術である。 H-rasタンパク質の強制発現により神経様細胞へと分化するPC12細胞を使い本技術の有用性を検討した。培養中のPC12細胞全てに光で翻訳をスイッチングできるmRNAをインジェクションした後、405nmのレーザーを1つの細胞にだけ照射し局所的にH-rasタンパク質を強制発現させた結果、その細胞だけが突起を伸ばし始め最終的には神経様細胞へと分化した。別の波長の光を照射し分化途中でH-rasタンパク質の発現を止めると伸びた突起が収縮し元のPC12細胞へ戻る現象がみられた。これは本技術の優位点であり、分化途中であっても分化誘導タンパク質の発現を止めれば分化をリセットさせられることを意味する。 世界中の幹細胞研究者が多能性幹細胞を目的の細胞へ分化させる分化誘導因子の探索をおこなっている。今後、多くの分化誘導因子が発見されることが期待でき、本技術をその分化誘導因子の発現制御に用いれば多能性幹細胞の集合体から位置と細胞の種類を人工的に操作して立体的な組織を作る再生医療へ応用できると考えられる。
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Research Products
(1 results)