2014 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌における化学療法低感受性改善のための試み
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25871147
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Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
菊池 良子 公益財団法人佐々木研究所, その他部局等, 研究員 (80535063)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CTGF / 卵巣明細胞腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣明細胞腺癌ではCTGFの発現低下がfirst lineの治療に用いられているパクリタキセルの耐性を引き起こしている可能性があるという仮説の下での実験を行った。CTGF高発現の細胞株OVISEと低発現の細胞株OVMANAとでパクリタキセル感受性が異なるかWST-8 assayを用いて検討したが、差は認められなかった。他の明細胞腺癌細胞株を用いて、CTGF高発現株と低発現株とに分けて、パクリタキセル感受性について検討する予定である。CTGF以外でも卵巣明細胞腺癌の化学療法低感受性に関連する因子が存在することを想定して、解析を進めることにした。卵巣がん細胞株のArrayCGH解析にて、増幅の見られていたlocusに位置し、RT-PCRでも過剰発現を認めた分子で、膵癌で過剰発現が認められており、低酸素で発現誘導される分子が存在した。低酸素状態では抗癌剤耐性となるため、この分子について卵巣明細胞腺癌症例を集め、蛍光in situ ハイブリダイゼーション(Fluorescence in situ hybridization: FISH)法にて検討を行い、この分子の増幅と抗癌剤感受性との関連の有無を検討する計画をたてた。まず、FISH法の系の確立のための予備実験を行った。この分子の位置するlocusに存在するBAC クローンよりDNAを抽出し、これをもとにFISHプローブを作成した。また、正常男性末梢血由来染色体をコントロールの実験を行うために作成した。この分子の位置するlocusのある染色体セントロメアのプローブを購入し、正常男性末梢血由来染色体を用いてFISHを行った。その結果、シグナルが2個ずつ見え、FISH法の系はうまくいっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CTGFの発現の高い細胞株でCTGFの発現の低い細胞株にくらべてパクリタキセル感受性が異なると予測していたが、そうではなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
CTGFの発現の高い細胞株KK,ES-2と発現の低い細胞株OVMANA, OVTOKOについてパクリタキセルの感受性が異なるかどうか検討する。また、FISH法を用いて卵巣明細胞腺癌の臨床検体について、卵巣がん細胞株のArrayCGH解析にて、増幅の見られていたlocusに位置し、RT-PCRでも過剰発現を認めた分子の増幅の有無を検討し、臨床病理学的な因子との関連を検討する。
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Causes of Carryover |
実験計画の再編成に時間がかかったため、用いた試薬、消耗品が少なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬、消耗品、必要な備品代などとして使用する予定である
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