2013 Fiscal Year Research-status Report
DNA二重鎖切断修復と塩基除去修復の相互作用とその修復分子機構の解明
Project/Area Number |
25871149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
正岡 綾 独立行政法人放射線医学総合研究所, 国際オープンラボラトリー, 主任研究員 (90646803)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNA修復 / 放射線 / 塩基損傷 / DNA二重鎖切断 |
Research Abstract |
本研究目的は、重粒子線照射による癌増殖抑制機構をDNA二重鎖切断修復と塩基除去修復の相互作用から明らかとすることである。本年度は1.DNA二重鎖切断修復経路の主要な経路であるHRおよびNHEJの細胞内寄与の検討、2.NHEJのin vitro検出系の確立の試み、3.X線および重粒子線を照射した細胞における塩基除去修復経路の関与を検討した。1.の実験ではGFPをレポーター遺伝子として用い、HRおよびNHEJを細胞内で特異的に検出するプラスミドを精製した。これらのプラスミドを用いた効果的ながん細胞トランスフェクト条件を確認し、次年度にFACSによりそれぞれの修復経路の細胞内寄与を検討する予定である。2.の実験では細胞抽出物を制限酵素処理したプラスミドDNA基質とインキュベートし、生成物をアガロースゲルにより解析した。NHEJ効率はライゲーション効率を指標に評価した。しかし、NHEJ阻害剤によるライゲーション生成物阻害が顕著でないことから、更なるアッセイ条件の検討が必要である。3.の実験では塩基除去修復酵素欠損細胞にX線および重粒子線を照射し、それぞれの細胞感受性を検討した。その結果、X線照射では正常細胞および欠損細胞で感受性の差はほとんど認められなかったが、重粒子線照射では両者に顕著な差が認められた。つまり、本研究で着目した塩基除去修復酵素が重粒子線照射により生じるDNA損傷修復に関与していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は交付初年度であり、実験立ち上げに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年は重粒子線照射施設利用のために必要な課題を提出し、自身の課題のための照射時間を確保した。昨年度の実験継続に加え、本年度は主にDNA二重鎖切断および塩基除去修復を測定するプラスミドを用いて重粒子線照射された細胞の修復能を検討する。
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[Journal Article] Interaction between DNA Polymerase β and BRCA1.2013
Author(s)
Masaoka, A., Gassman, N.R., Horton, J.K., Kedar, P.S., Witt, K.L., Hobbs, C.A., Kissling, G.E., Tano, K., Asagoshi, K., Wilson, S.H.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e66801
DOI
Peer Reviewed
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