2014 Fiscal Year Research-status Report
乳がんサバイバーとして地域で生きていく生活の質を高める包括的支援システムの構築
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25871163
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
山手 美和 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 准教授 (80347202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳がん / がんサバイバー / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の計画は、ピアサポーターに対して面接を行い、乳がん患者がピアサポートを活用する意義、ピアサポートの場の意義、ピアサポーターとしての困難感について明らかにすることであった。 研究対象者:Cancer Net Japan主催の「がん体験者コーディネーター養成講座」を受講しピアサポーターとして活動している乳がん患者10名。データ収集内容は、①研究対象者の背景と②面接内容(ⅰがん患者にとってのピアサポートの場の意義、ⅱピアサポーターとして活動していく上での感じている困難や戸惑い)であった。データ収集は半構成面接法にて行った。ピアサポーター1名に対し2回ずつ面接を行い、面接時間は平均32分であった。データ分析は、面接で得られたデータを逐語録とし、意味内容が類似しているものを分類し共同研究者間で討議しながら分析した。倫理的配慮は、研究協力の任意性の確保、匿名性の保持について文書と口頭で説明を行い、同意が得られる場合は同意書に署名をもらった。また、研究の実施にあたり研究倫理審査委員会の承認を得た。 分析途中ではあるが、以下のような内容が明らかになった。(1)ピアサポートの場の意義:〈感情を吐き出せる場〉〈がんのことを考えない時間・空間としての場〉〈がんと共に生きていくための術を見つける場〉〈一歩前に進むための場所〉〈生きる希望を見つける場〉〈自分自身が成長する場〉、(2)ピアサポートを行っていく上での困難感や戸惑い:〈私の経験を話す範囲を決めかねる〉〈同じ体験がないとピアとして分かり合えない〉〈相談者に信頼を得るために新しい知識を得ていく〉〈相談内容に対する答えの適切さ〉〈相談者の悩みが自分の経験と重なる〉〈ピアサポーターとしての活動の曖昧さ〉〈病院の中でのピアサポーターの位置づけの曖昧さ〉であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているため、このまま進めていく。
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Causes of Carryover |
アルバイト等の謝金がかからなかったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アルバイト代の補填や論文作成・論文投稿費用として使用していく。
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Research Products
(5 results)