2014 Fiscal Year Annual Research Report
SLC15A4によるライソゾーム環境管理と炎症制御の相互作用
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25871165
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
小林 俊彦 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (40613203)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自然免疫 / ライソゾーム / 自己免疫疾患 / B細胞 / トランスポーター / 炎症制御 / TLR / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫細胞はライソゾームを分泌やシグナル伝達の場として利用しており、そのために独自のライソゾームの環境制御システムを持っている。私たちはこれまでに、樹状細胞やB細胞においてライソゾーム局在型のアミノ酸トランスポーターSLC15A4がライソゾーム内環境を最適化することによってTLR7, TLR9を介した自然免疫応答を制御していることを明らかにしてきた。しかし、SLC15A4とTLR応答とを結ぶ分子機構の解明が未解決の課題であった。 本研究ではSLC15A4特異的なモノクローナル抗体を樹立してTLR7, TLR9, NOD1の活性化とSLC15A4依存性のライソゾーム動態制御の関係を可視化し、SLC15A4によるTLR7,TLR9応答制御の分子基盤を明らかにすることを目指した。その結果、B細胞のSLC15A4がTLR7依存性の自己抗体産生に必須であること、さらにそれが、SLC15A4がI型IFN受容体の下流でmTOR依存的に転写因子IRF7の翻訳を制御すること、それによってI型IFN-IRF7による活性化サーキット形成を媒介して自己抗体産生を誘導する、という分子機構によって担われていることを解明し、その成果を2014年9月、Cell姉妹誌のImmunity誌に発表した。本研究成果は、ライソゾームのアミノ酸輸送によってTLRを介した自然免疫炎症応答が制御されるという新しい炎症制御機構を発見したという点で、重要な研究となった。
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[Journal Article] The histidine transporter SLC15A4 coordinates mTOR-dependent inflammatory responses and pathogenic antibody production.2014
Author(s)
Kobayashi T, Demoto-Shimabukuro S, Yoshida-Sugitani R, Furuyama-Tanaka K, Karyu H, Sugiura Y, Shimizu Y, Hosaka T, Goto M, Kato N, Okamura T, Suematsu M, Yokoyama S, Toyama-Sorimachi N
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Journal Title
Immunity
Volume: 41
Pages: 375-88
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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