2014 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病・前糖尿病に予防的に関わる運動要因の解明に関するコホート研究
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25871166
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
桑原 恵介 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 助教 (70635226)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体活動 / 運動 / 2型糖尿病 / コホート研究 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、本研究の主目的の1つである筋力トレーニングと2型糖尿病発症リスクとの関連について、糖尿病にかかったことがない日本人労働者約2万7千名を対象に、毎年の健康診断情報を用いて検討を行った。ベースラインは2006年であり、健診データを用いて最大2013年3月まで対象者を追跡した。平均追跡期間は約5年である。筋力トレーニングは健診時の問診票によって評価した。糖尿病の有無は空腹時または随時血糖値、ヘモグロビンA1c値、および自己申告によって評価した。その結果、ベースライン時に筋力トレーニングを行っていた人は、行っていなかった人と比べ、2型糖尿病発症リスクが約30%低いことを認めた。筋力トレーニングは糖尿病発症に対して予防的に関わることが米国の大規模コホートから示されていたが、本研究の成果によって、日本人勤労者においても、筋力トレーニングは2型糖尿病予防に有用である可能性が示された。本年度は、もう1つの主目的である中強度の運動と2型糖尿病発症との関連についても検討を行った。関連領域の先行研究を再レビューし、運動習慣の解析方法の見直しを行った。現在得られている結果では、高強度の運動は2型糖尿病発症リスクの低下と関連した一方で、中強度の運動は2型糖尿病発症とあまり関連はなかった。中強度の運動に関する結果は日本人や日系米国人における過去のコホート研究による結果と一致するが、日本人における身体活動の強度と糖尿病発症に関する疫学データは充分でないことから、さらなる検証が必要と思われる。また、前糖尿病にかわり、メタボリックシンドロームをアウトカムとして運動強度との関連について検証を行い、成果の一部を学会報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中に運動強度と糖尿病発症に関する論文を学術誌に発表する予定であったが、研究環境の変化に伴い、進捗がやや遅れている。本研究で用いた身体活動調査票の妥当性研究も同様の理由で進捗が遅れている。しかしながら、本研究の主目的の大部分は達成できているため、総合的に判断して、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
運動強度と糖尿病発症との関連について論文として成果発表を行う。身体活動調査票の妥当性研究の進捗を進める。
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Causes of Carryover |
妥当性研究が進捗していないため、研究協力の謝金額が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に妥当性研究の協力謝金として使用予定である。
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