2013 Fiscal Year Research-status Report
食事摂取基準の活用に向けた障がい児および有疾患児におけるエネルギー必要量の評価
Project/Area Number |
25871179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
中江 悟司 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 基礎栄養研究部, 特別研究員 (80613819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発育発達 / 二重標識水 / 栄養学 / 食事調査 / エネルギー代謝 / 身体活動量 / 身体活動レベル / 加速度計 |
Research Abstract |
健康維持のためのエネルギー必要量は、食事摂取基準により定められているものの、同基準は健常者のみのデータに基づいている。さらに、健常児においても、食事摂取基準策定に必要なエネルギー消費量に関するデータは、その測定の困難さゆえにほとんど見当たらない。そこで本申請課題では、特にエビデンスの不足している3~5歳の障がい・疾患を有する小児および健常児を対象に、もっとも妥当性の高い二重標識水法を用いてエネルギー必要量を明らかにすることを目的とした。 初年度である平成25年度は交付申請後すみやかに対象者の募集を行い、協力の得られそうな園にて研究説明会を実施したところ、予定人数を大幅に上回るエントリーがあったため、本年度はデータ収集を集中的に行った。 二重標識水法によるエネルギー消費量測定期間は8日間とし、期間中に数回採尿をおこない、得られた尿検体は同位体比質量分析計を用いて分析するまでの間、冷凍保存される。基礎代謝量は、仰臥位にて20分以上安静を保持した上で、呼気ガス分析計(ArcoSystem社製、AR-1)を用いフード法にて測定した。さらに、二重標識水法による測定期間中は3次元加速度計(オムロンヘルスケア社製、HJA-350IT)を装着し、身体活動の量、強度、時間に関するデータを収集した。また、3日間(平日2日間、土日1日間)の食事記録より食事によるエネルギー摂取量を算出し、栄養評価を行った。 現在、得られたサンプルを分析中であるが、本申請課題の達成によって、これまでのところエビデンスが不足している低年齢層において非常に重要なデータを得ることができ、食事摂取基準のさらなる発展のためのエビデンスを蓄積することができる。すなわち、食事摂取基準における策定資料を提供することができ、さらに発展させることで小児の健全な発育を支援できるとともに、国に利益を還元できる点でも非常に意義のある研究といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の測定実施にあたって対象者のリクルートを行ったところ、当初予想していた交付申請時の予定人数を大幅に上回るエントリーがあった。本研究で対象とする3~5歳の幼児の場合、幼児の通う園・保護者および幼児本人の協力を得ることは成人を対象とするよりもはるかに困難であるため、測定の機会に恵まれることは少ない。そこで、今回エントリーした者の内、特に来年度小学校に入学することによって研究対象から除外されることとなる年長児を中心に、できるかぎりエントリーした者の測定を実施した。そのため、前倒し支払い請求をすることとなったが、これは研究が当初予定よりも進展したためといえ、現在までの達成度を(1)と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は当初予定よりも対象者数が増えた結果、測定を中心に行なってきた。今後は、採取したサンプルの分析を中心に解析を行い、それらの中間結果を考慮した上で必要な対象者を追加し、本申請課題を効率よく実施していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定対象者が当初予定を大きく上回ったため、対象者増加による対象者謝金および実験消耗品・測定期間延長による旅費が増加したため、前倒し支払い請求を行った。前倒し支払い請求は10万円単位でしか請求できないため、前倒し支払い請求後必要な経費を差し引いた額がそのまま次年度使用額となった。 当初予定では平成26年度に行う予定だった計画の一部を平成25年度に前倒して実施した結果生じた次年度使用額であるため、全体の計画にはなんら支障はなく、使用しなかった次年度使用額は当初予定通り平成26年度計画の中で使用する。
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