2015 Fiscal Year Annual Research Report
QAAR(定量的活性活性相関)手法による化学物質等の有害性推論手法の開発
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25871184
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹下 潤一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 主任研究員 (60574390)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 化学物質 / 有害性推論 / 遺伝子発現データ / クラスター分析 / 組合せ最適化 / 複合影響評価 / 濃度加算法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、単独物質の有害性推論手法と複合影響評価手法とのそれぞれに関連する研究を行った。 単独物質の有害性推論手法の研究としては、インビトロ実験から得られた遺伝子発現データを用いて、類似化合物を分類する方法論について研究を行った。これは、read-across(類推:有害性情報のない化合物の有害性を、有害性情報のある化合物の情報から予測する方法)に資する手法開発である。遺伝子発現データは、化合物数に対して非常に多くの遺伝子数のデータが報告されるという特徴を持つ。そのため類似化合物の分類を適切に行うためには、異なる化合物に対しては異なる発現パターンを明確に有する遺伝子群を抽出する必要がある。そこで、解析対象とする遺伝子を抽出するために2つのアプローチを提案した。提案した2つのアプローチは、組合せ最適化手法とクラスター分析をそれぞれ応用したアプローチである。これらの成果について、複数の学会で発表を行った。 一方、複合影響評価手法の研究としては、複数物質を同時に暴露した際の影響率の予測値を区間推定する解析的手法を構築した。またその応用として、複合暴露試験結果が、複合影響評価手法でスタンダードとなっている濃度加算法(CAモデル)による予測と一致しているかを判別する方法を提案した。本提案手法は、非常に簡単な計算に基づくため、計算プロセスの透明性も高く簡易な方法であるという利点がある。さらに、提案手法の妥当性を検証するために、提案手法による計算結果と、よく行われているシミュレーションによる結果との比較を行った。この検証は、仮想データとメダカを用いた複合暴露実験の実データのそれぞれを用いて行った。そして、仮想データ、実データいずれの場合でも、解析的方法による予測とシミュレーションによる予測とが類似しているという結果を得た。この成果については、国際誌に採択されることとなった。
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[Presentation] 遺伝子発現データに基づく化学物質の類似性について2015
Author(s)
竹下潤一, 阿部亮介, 豊田章倫, 遠藤靖典, 宮本定明, 谷英典, 青木寛, 鳥村政基, 佐藤浩明, 蒲生昌志
Organizer
日本動物実験代替法学会第28回大会
Place of Presentation
ワークピア横浜, 横浜
Year and Date
2015-12-11
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