2014 Fiscal Year Research-status Report
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25871204
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
勝亦 陽一 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (90548281)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生まれ月 / スポーツ参加 / 一流競技者 / 野球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、横断的(種目間、競技力間)および縦断的(年代間、年齢間)研究に大別される。26年度は質問紙による横断的研究(種目間)、および実験データを収集する縦断的研究(年齢間)を行った。 横断的研究(競技力間)および縦断的研究(年齢間)は、25年度の研究結果を考慮し、生まれ月の影響を受けるスポーツ種目である野球選手を対象とした。各年齢における競技力の高い野球選手の生まれ月は、4-9月生まれの割合が高く、その傾向は低年齢において顕著であった(小学生:80%、中学生:90%、高校生:70%)。小学生を対象に生まれ月、幼少期および現在のスポーツ参加状況、身長(増加速度を算出)を調査したところ、競技力の高い選手は一般の野球選手と比較し、4-9月生まれの割合が高く、自主練習を行っている、プロ野球選手になりたい、中学生になっても野球を継続したいと回答した割合が高かった。 小学生からプロ野球選手までの競技力が高い選手の身長は、いずれの年齢においても日本人の平均よりも10㎝以上高かった。また、競技力が高い中学生投手を対象に過去の身長を調査したところ、小学1年生において同学年の男子よりも6㎝身長が高く、その差は中学校3年生まで変わらなかった。また中学生の競技力が高い選手の生まれ月は4-9月生まれが85%であった。 以上の結果から、野球競技では年齢に関わらず、競技力の高い選手は生まれ月が偏っており、その傾向は低年齢で顕著であること、いずれの年齢においても体格の指標である身長が日本人の平均よりも高いことが明らかとなった。 横断的(種目間)として、アジア大会に参加したすべての選手に生まれ月、幼少期および現在のスポーツ参加状況を調査し、分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、生まれ月とスポーツへの参加との関係を明らかにすることであった。26年度は横断的研究(競技力間)およびアンケート調査および実験データを収集する縦断的研究(年齢間)を行うことが計画されていたが、概ね予定通りに研究が遂行された。横断的研究(競技力間)および縦断的調査(過去の身長に関する調査)について26年度の結果から、さらなる調査が必要であると判断したため、来年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、当初の計画通りすべてのデータについて包括的に分析および考察し、学会発表および論文投稿をする予定である。横断的研究(競技力間)について、さらに掘り下げた調査を行うため、野球選手を対象にアンケート調査、中学生野球選手を対象に過去の身長に関する調査(縦断調査)を行う予定である。また、タレント発掘やジュニア世代の指導に関わる方々に協力を仰ぎ、生まれ月を考慮した国際競技力向上のためのタレント 発掘および育成の方法、ジュニア期のスポーツシステムの在り方を考案する。
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Causes of Carryover |
物品費で予定していたパソコンであるが、研究代表者の所属変更に際し、新所属先の研究室に簡易なデータ解析であればできるパソコンがあったため、26年度の購入を見送った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費で当初から予定されていたパソコンを購入する。1000枚以上の調査用紙の入力を行う必要があるため、短期雇用者を2名雇い作業を行う。そのため、新たなパソコンを購入する必要がある。また、研究成果公表のためのプリンターの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)