2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of hypoxia on human motor skill learning.
Project/Area Number |
25871205
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
松林 武生 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (20549464)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 低酸素環境 / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペダリング時のトルク発揮をターゲットにあわせる学習課題を、常酸素下および常圧低酸素下(酸素濃度14.5%)にて行わせ、両条件での運動学習過程を比較した。運動にはリアルタイムにペダリングトルクをモニタすることが可能な自転車エルゴメータ(Wattbike社製)を用い、ペダリング速度50rpmにて運動強度が120W相当となるよう負荷を設定した。アプリケーション画面に1サイクル毎に表示されるクランク角度-トルクのレーダー図上に、トルクターゲット曲線が描かれクリアシートを重ねることで、学習課題を提示した。各条件にて5種類ずつ、異なる形状のトルクターゲットをランダムに準備し、これを2分間ずつ提示した。ターゲットと発揮トルクとの絶対誤差について30秒時間窓の移動平均をとり、その初期値に対する最小値の比を学習率(トルク誤差学習率)とした。なお、同一のターゲットに対しても被験者によって得意、不得意が存在することから、被験者間で課題の難易度を揃えるために、5種類のターゲットの試行のうち学習率が最大および最小の2試行を除く中間3試行の学習率平均値を、最終的な学習率とした。また、運動中の左右外側広筋の表面筋電図も併せて記録し、20°毎に分割したクランク角度域ごとの平均振幅がサイクル毎に見せる変動性の推移(30秒時間窓の移動標準偏差)からも、同様の方法で筋電図学習率(トルク誤差学習率を算出した3試行での平均値)を算出した。その結果、トルク誤差学習率(常酸素条件;0.83±0.07、低酸素条件;0.85±0.07、平均±標準偏差、以下同様)、筋電図学習率(常酸素条件;0.81±0.08、低酸素条件;0.80±0.05)ともに、条件間での有意な差は認められなかった。このことから、少なくとも本実験で設定した条件下においては、運動学習過程に対して低酸素環境は影響しないことが示唆された。
|
Research Products
(1 results)