2013 Fiscal Year Research-status Report
天体プラズマの光学観測に向けた高分解能極端紫外光検出器の開発研究
Project/Area Number |
25871211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
吉岡 和夫 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (70637131)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロチャンネルプレート / レジスティブアノード / 高圧電源 / 放電 / 洗浄 / 高真空 |
Research Abstract |
本年度は球面型マイクロチャンネルプレート(以下球面MCP)の性能試験に必要な真空装置の構築・整備に尽力した。数時間の真空引きで、大気圧から1E-5Pa程度の真空度に達する排気システムを確立した。また、そのために必須となる部品、道具の洗浄システムを確立した。アッセンブリの性能評価用に規格品のMCPを複数毎重ねたものを用意し、真空中での動作確認を行った。この試験では特に放電対策に重点をおいた。MCPには3.5kV程度の高電圧を印加して用いるため、脱ガスによる一時的・局所的な真空度低下が放電事故をもたらすことがある。このような事態を避けつつも、振動等でのずれがないように固定するため、ピーク材とステンレスのバネ板を組み合わせたインシュレータ構造を確立した。また、MCPが受けた光子の位置情報を導出するためのレジスティブアノードを試作し性能評価した。さらに、複数毎重ねたMCPに最適な配分で電圧を印加するための、小型、軽量な分割回路を試作した。今回はセラミックの基盤に抵抗体を塗りつけることで5kVの耐圧があることを確認した。これらの成果は本研究の最終目標である球面MCPの実用化に必要なものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標である球面MCPの製作には至っていないが、前段階として平面MCPを用いたアッセンブリ構造の最適化をほぼ完了した。また、MCPの空間分解能および放電耐性の評価に用いる真空試験装置を構築した。さらに、MCPで増倍された電子雲を電気信号として受け取り、増幅するための電気回路部、および位置情報に変換するためのソフトウェアの開発はほぼ完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
比較的製作が容易である曲率の大きなMCP(すなわち平面型に近いMCP)を試作する。また、レジスティブアノードの位置分解に十分な電荷量(像倍率1E+6以上)を生成するために、2枚のMCPを重ねて高圧印加する。このとき1時間以上の連続印加でも放電が発生しないことを必要条件とする。これは、高度1000km付近の地球周回軌道を回る人工衛星から天体を観測する際に、連続して高圧を印加できる最長の時間である。また、完成したMCPアッセンブリの分解能評価試験を行うための光源を準備する。本研究では重水素ランプと微細なピンホール(直径0.02mm)を組み合わせたものを用いる。まずは、最も容易に発光する水素のライマンアルファ線(波長121.6 nm)を用いて試験する。これらの試験が成功した段階で、曲率40mmの球面MCPの製作に取り掛かる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The extreme ultraviolet spectroscope for planetary science, EXCEED2013
Author(s)
K. Yoshioka, G. Murakami, A. Yamazaki, F. Tsuchiya, M. Kagitani, T. Sakanoi, T. Kimura, K. Uji, and I. Yoshikawa
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Journal Title
Planetary and Space Science
Volume: 85
Pages: 250,260
Peer Reviewed
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