2014 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of spinal dorsal horn TRP channels in neuropathic pain
Project/Area Number |
25871214
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
周 一鳴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (20647888)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sパルミトイル化は可逆的な蛋白質の翻訳後修飾の一つで、蛋白質の細胞膜発現・細胞内発現分布・蛋白質蛋白質連関等に関わっている。TRPチャネルは、非選択性陽イオンチャネルで様々な細胞内外刺激によって活性化され、多くの細胞機能に関わっているが、Sパルミトイル化修飾についてはほとんど報告がない。そこで、感覚神経に発現して侵害刺激受容や侵害刺激の軽減に関わることが知られている3つのTRPチャネル、TRPV1, TRPM8, TRPA1がSパルミトイル化で機能修飾を受けるかどうかを検討した。TRPM8, TRPA1はパルミトイル化酵素阻害剤でそれぞれの刺激剤による活性化電流が有意に抑制された。また、広範なパルミトイル化酵素DHHC7はTRPVM8, TRPA1の活性化電流を増大させたが、TRPV1電流には影響を及ぼさなかった。さらに、脱パルミトイル化剤によってマウス感覚神経細胞でのTRPM8, TRPA1活性が有意に抑制された。S パルミトイル化されたTRPM8, TRPA1は細胞膜への移行が促進されて活性増強につながっているものと考えられたので、細胞膜ビオチン化法によってマウス感覚神経細胞形質膜のTRPチャネル発現を検討したところ、パルミトイル化酵素阻害剤や脱パルミトイル化剤はTRPM8, TRPA1の細胞膜発現を有意に減少させたが、TRPV1の発現量には影響を与えなかった。加えて、マウス個体を用いて疼痛関連行動の解析を行ったところ、TRPA1刺激剤AITCによる疼痛関連行動は、同じく足底に投与したパルミトイル化酵素阻害剤ではなく脱パルミトイル化剤で有意に抑制されたが、カプサイシンによる疼痛関連行動はパルミトイル化酵素阻害剤にも脱パルミトイル化剤にも影響を受けなかった。これは、足の感覚神経終末細胞膜に発現するTRPA1の発現量が脱パルミトイル化によって減少したからであろうと考えられた。
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