2014 Fiscal Year Research-status Report
導電性シリコンナノシート ~溶液プロセスで利用可能な導電性ナノシートの創製~
Project/Area Number |
25871250
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Research Institution | Toyota Central R&D Lab., Inc. |
Principal Investigator |
大橋 雅卓 株式会社豊田中央研究所, 先端研究センター戦略研究部門機能性Si低次元材料プログラム, 研究員 (10418436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノシート / シリコン / 複合化 / 有機高分子 / 炭素材料 / 自立膜 / ナノ複合構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコンナノシート(Si-NS)は、シリコンの単原子層から成る2次元シート材料であり、既存のバルクシリコンに替わる新たなシリコンビルディングブロックとして注目を集めている。本申請では、Si-NSへの導電性付与方法を確立し、溶液プロセスで利用可能なナノシート材料を創製することを目的としている。平成26年度は、Si-NSの素子化、薄膜化に必須な技術課題として、有機高分子や炭素材料との複合化方法を検討した。 「有機高分子/Si-NS複合体の構築」 Si-NSの積層体である層状ポリシラン(Si6H6)をスチレンと反応させることでSi-NS表面へのスチレン修飾とポリスチレンの生成が同系内で進行し、ポリスチレン/Si-NS複合体(PS/Si-NS)が生成した。得られた複合体は有機溶媒に溶解して均一なスラリーを形成し、これを塗布乾燥すると均一かつ柔軟なPS/Si-NS 自立膜が得られた。 「炭素/Si-NS複合体の構築」 Si-NSの原料である二ケイ化カルシウム(CaSi2)をスクロースと共に濃塩酸中で反応させることで、Si-NSの生成とスクロースの分解/炭化が同系内で進行し、シロキセン(一部酸化されたSi-NSの積層体)が非晶質炭素で覆われたナノ複合構造をワンポットで合成することに成功した。また本複合体はリチウムイオン電池の電極として機能し、既存の炭素電極よりも高い充放電容量を示した。 今後は上記複合材料の詳細な分析を進め、溶液プロセスで利用可能なナノシート材料の創製に繋げる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はシリコンナノシート(Si-NS)への電気伝導性付与方法、平成26年度はSi-NSの有機溶媒への可溶化方法を検討した。また得られた研究成果の論文発表や学会発表も実施しており、申請課題はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究成果をもとに、平成27年度は、高難度な課題であるシリコンナノシート(Si-NS)への半導体特性(P or N型)の付与方法の確立を目指し、半導体Si-NSを用いたデバイス構築へと繋げる。 1) 出発原料へのドーピングによる半導体Si-NSの作製 2) Si-NS表面への電荷分子固定による半導体Si-NSの作製 3) 半導体Si-NSの積層/組織化及び他材料との複合化によるデバイスの作製と評価
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Research Products
(4 results)