2014 Fiscal Year Annual Research Report
群れにおける身体性と内部ゆらぎによるその運動的機能における研究
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25880005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新里 高行 筑波大学, システム情報系, 助教 (00700163)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 群れ / 自己組織化 / 探索と搾取のジレンマ- / 創発 |
Outline of Annual Research Achievements |
川魚の一種であるアユの群れの行動を画像解析により分析する方法を確立した.群れの中の個体は,群れ全体の情報を知り得ないのにもかかわらず,うまく統制のとれた集団的運動をなぜ実現するのかを様々な尺度を通じて明らかにした.
大きな成果としてあげられるのは,全体の情報に対しての個々の振る舞いが,スケールに依存しない振る舞いを示すことを明らかにしたことである.具体的に言うと,鮎の運動が重心参照系に対してレヴィウォークをしめすことや,平均の向き速度に対する各個体の切り替えが時間解像度によらない振る舞いを見せることである.これらの結果の一部は,すでにIFの高い国際雑誌で発表されており,さらに,国内の学会等でも高い評価を受けている.
さらに,それらの結果は,我々が新しく提案したモデルと矛盾なく接続できることを明らかにした.このモデルは各個体が,自らの周辺個体を個物としてみるか,それとも集団としてみるかを,個体のおかれている状況に応じて自らの振る舞いを切り替える.我々の提案する本モデルは,すでに,他の一般的な群れの現象の解析結果に一致しており,今回の結果は,我々の提案するモデルがこれまで発見されてきた結果を説明するだけでなく,未知の現象をも説明する能力を有していることを意味している.つまり,不完全な情報をもとに自らの行為を決定することが,局所的であるにも関わらず社会的=集団的な意味を帯びるということを実験・理論的に明らかにしたのである.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)