2013 Fiscal Year Annual Research Report
視聴覚メディアの情動性を拡張する温冷感呈示インタフェース
Project/Area Number |
25880014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 克成 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (00708381)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | マルチモーダルインタフェース / 温冷感 / ウェアラブルインタフェース |
Research Abstract |
本研究では、新しいエンタテイメントシステムの実現を目指し、皮膚に対する温冷感刺激により映画や音楽といった視聴覚メディアから受ける印象や感情を変化させるインタフェースを実現するために、以下の2つを目的とする。 1.温冷感刺激が視聴覚メディアに及ぼす影響が特に大きい条件を選定し、その条件下における温冷感刺激の効果をモデル化する。 2.日常的な使い心地を考慮した温冷感呈示インタフェースを構築し、視聴覚メディアの鑑賞システムと統合することで、ホームシアターシステムとして実装する。 本年度は、1つ目の目的に対し、温冷感刺激が及ぼす効果の種類と、その効果が生じる条件を、感性工学の手法により検討した。異なる種類の音楽に対し、曲調の変化を強調するように温冷感刺激を付加し、温冷感刺激の有無による音楽の印象と視聴者の気分の変化を評価した。結果として、温冷感刺激により音楽の印象が鮮鋭化する可能性が示唆された。また、明るい曲調に温刺激を付加することで、開放的な気分が強調される可能性が示唆された。 また、2つ目の目的にある温冷感を提示するウェアラブルインタフェースとしては、日常的な使用に耐え得る、着用感の良いものが望まれる。着用感の良し悪しを決定する要因として、衣環境学の分野においては、皮膚に加わる圧力である被服圧が指摘されている。そこで、ウェアラブルインタフェースにおける被服圧の評価手法を検討した。結果として、多様な材料に塗布可能な伸縮性導体を使用した被服圧計測手法を提案し、その妥当性と現状の問題点を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
温冷感刺激が聴覚メディアに及ぼす影響の種類とその条件に関する1知見を得ることで、温冷感刺激による視聴覚メディアの情動性変化をモデル化する際の、対象範囲を絞り込んだ。 さらに、ウェアラブルインタフェースの着用感を、伸縮性導体により被服圧として評価する手法を提案し、衣環境学の観点からインタフェースを評価する1つの方法論を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度において確認された温冷感刺激の視覚メディアに対する効果が、視聴覚メディアにおいても生じるかを確認する。そして、効果が生じる条件をより厳密に評価し、温冷感刺激による視聴覚メディアの情動性変化のモデル化に取り組む。 インタフェースの実装面においては、温冷感刺激提示の手法を再検討する。また、着用感評価手法の検討と改善を行い、衣環境学に基づくウェアラブルインタフェース設計の1手法を提言する。
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