2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザの情報取得・利用スタイルに適応するインタラクティブなWebブラウザの研究
Project/Area Number |
25880016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小林 透 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90637399)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ファインダビリティ / マルチモーダル / マルチスクリーン / HTML5 |
Research Abstract |
端末機器利用ユーザの能力に応じた「ユーザ適応型Webブラウザ」構築を目的として、当該年度は、「リビングにおける情報活用を想定したスマートTVユースケース」に関して研究を進め以下の成果を上げた。 ●ファインダビリティに着目したスマートTVシステムの開発:本システムは、タブレットPCのブラウザを起動するだけで、今流行のキーワードや最新ニュースタイトルが表示され、それらに関連したソーシャル動画のサムネイルやユーザが撮影した動画像、関連する書籍などの商品一覧が表示される。それらの情報をタブレット上で操作することで、ソーシャル動画や写真を異なるTVモニタに表示させたり、商品の詳細情報をタブレットPC上に表示させたりして買い物を行うことができる。本システムは、すべてHTML5をはじめとする次世代Web技術を用いて実装した。本成果は、2013年10月に2nd IEEE Global Conference on Consumer Electronicsで発表した。 ●ファインダビリティに着目したマルチスクリーンシステムの開発:上述したシステムに、Facebookを連携させた。これにより、該当ユーザにパーソナライズされた情報のフィルタリングが可能となった。また、本システムをAmazon Web Service上に構築することでパブリッククラウド上での運用を可能とした。本成果は、2013年12月に電子情報通信学会ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)で発表した。 ●マルチモーダルなスクリーンデバイス連携システムの開発:上述したシステムに、タブレット上でのDrag&Dropの他、モーションセンサによる操作や音声による操作を可能とするマルチモーダルなインターフェースを実装した。本成果は、2014年2月に映像情報メディア学会・コンシューマエレクトロニクス研究会(CE)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画では、主に①対象ユースケースをHTML5等次世代Web技術により実装する、②実装したシステムをパブリッククラウド上で運用、③情報フィルタリングと情報提示形式のユーザ適応機能評価を実施、④運用性の観点でのアーキテクチャの評価を行うこととしていた。このうち「研究実績の概要」で示した通り、①、②については完了するとともに、計画にはなかったマルチモーダルインターフェースの実装とその成果発表を行うなど計画以上の成果を上げている。一方、③に関しては、定性的な評価にとどまり、定量的で客観的な評価までは達成できなかった。④に関しては、サービス追加(新たなWebサービス)やユーザインターフェースの改良などが柔軟に行えることがプロトタイプシステムの評価から検証できた。 以上より、総合的に判断するとおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」に示したように、本課題の遂行はおおむね順調に進んでいる。今後は、初年度構築したプロトタイプシステムの定量的な評価と次年度に行う予定だったスマートCarに関するユースケースのシステムの検討を並行して行う。それにより、計画通り2年で「ユーザ適応型Webブラウザ」のアーキテクチャを明確化し、その実現性の評価を行う。
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Research Products
(4 results)