2014 Fiscal Year Annual Research Report
遅延聴覚フィードバックによる非吃音者の吃音様症状発生における個体差の要因
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25880024
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
塩見 将志 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (60711215)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 遅延聴覚フィードバック / 個体差 / 筋活動量 / 脳血流量 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己の発話を200ms程度遅らせて話者に聴かせる(遅延聴覚フィードバック;DAF)条件下と通常のフィードバック時での、音声、筋活動量、脳血流量、眼球運動を計測し、DAF条件下で吃音様症状が顕著な群とDAF条件下でも吃音様症状が軽度な群に分類し分析を行った。 音声についての分析の結果、DAF条件下で吃音様症状が顕著な群は、DAF条件下で吃音様症状が軽度な群に比し、DAF条件下では発話速度が遅くなる場面が多く認められることが示された。筋活動については、構音運動の分析のため表面筋電図を左右の上口輪筋と下口輪筋4か所から双極導出で記録した。その結果、口輪筋の筋活動量は、吃音様症状が軽度な群でのみDAF条件下で左上口輪筋の筋活動量が多くなる傾向が示された。これらのことから、聴覚フィードバックの混乱に影響されず通常のフィードバック時と同様の発話速度を保つためには、DAF件下では通常のフィードバック時とは異なる構音運動を行うことが有効であることが示唆された。 脳血流量については、前頭葉脳血流量の変化を16部位(ch)のNIRS機器であるSpectratech OEG-16(スペクトラテック製)を使用し、オキシヘモグロビン濃度を連続して測定する方法で検討した。分析の結果、DAF条件下で吃音様症状が顕著な群と吃音様症状が軽度な群間では、前頭葉の活動が大きく異なり、吃音様症状が顕著な群では前頭葉の右半球(非優位半球)で活動が高くなることが示された。また、吃音者が示す脳内の賦活パターンは非吃音者とは異なり、一次運動野や外側運動前野下部で右半球の活動が有意に大きいことが示されている。これらのことから、右半球(非優位半球)の活動が高くなるという点に関しては、非吃音者であっても吃音様症状を多く呈する個体はDAF条件下では吃音者と同様の脳内の賦活パターンとなる可能性が示唆された。 なお眼球運動については、実験を実施し分析を始めているところである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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