2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本語母語話者の英語発話の韻律特性のモデル化と語学学習システムへの応用
Project/Area Number |
25880025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
成合 智子 常磐短期大学, キャリア教養学科, 助教 (60709468)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 第2言語発話 / 韻律 / CALL |
Research Abstract |
日本語母語話者の英語発話に関する従来の発話学習システムは、(rとlの違いのような)音素の発話に関する学習システムが主流であり、(イントネーションのような)韻律に関する学習システムは、現在のところ発展途上である。本研究は、韻律に関する発話学習に重点をおいた効果的な英語発話学習システムの開発を目指す。本システムは、学習者が英語発話をすると、イントネーションを英語母語話者のように変換し、教示する機能を持つ点に特徴がある。 25年度に,日本語話者の英語発話の韻律特徴について文型とアクセント句に基づいた分析を行った.分析結果として、日本語母語話者は、名詞、疑問詞、否定詞はintensity(強さ)が弱く、機能語でintensityが強かった。この知見は、日本語母語話者の英語発話には、日本語の韻律特徴が表れていると説明される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語母語話者の英語発話の韻律特徴の分析を行ってきた。25年度は、時間長、ピッチに加え、パワーの分析を行うことにより、日本語母語話者の韻律特徴のモデル化を完成させることができた。また、26年度の研究の方針を固めた。これにより、おおむね計画通りに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度で得られた知見より、日本語母語話者の英語発話のモデル化を行い、その特徴を修正する方向に韻律変換を行い、再合成音声を作成する。 まず、日本語母語話者の英語発話の韻律特徴を元に、その特徴を修正するパラメータ値を決定する。そのパラメータ値に基づき、音声合成システムSTRAIGHTを用いて、再合成音声を作成する手法を確立する。 次に、日本語母語話者の英語発話について、韻律変換を行う。日本語母語話者の英語発話をSTRAIGHTに入力すると、それぞれの単語について、韻律特徴を分析し、適切な韻律が実現できているかについて評価する。 加えて、本手法の有効性を主観評価実験で検証を行う。この評価により、主観評価が高くなるようにモデルのパラメータの調整を行う。 最後に、提案手法について、発話学習システムにつながるアルゴリズムの構築を目指す。
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