2013 Fiscal Year Annual Research Report
出力合流型隠れマルコフモデルの提案とその音楽情報処理への応用の開拓
Project/Area Number |
25880029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
中村 栄太 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 特任助教 (10707574)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 音楽情報処理 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度である平成25年度は、まず提案する出力合流型HMMの定式化および理論的な解析を行った。研究代表者は、既に複数のHMMの合流モデルについて予備検討を行っていたが、これをさらに進めてこのモデルの効率的な推定・学習アルゴリズムの確立やより記述力の大きなモデルとの関係を明らかにすることなど、理論的な解析を行うことによりモデルの性質を調べるとともにその記述の有効性を確認した。 また、具体的な音楽情報処理における応用の開発に順次取り組んできた。それらは、ピアノの両手運指決定や自動採譜、楽譜追跡、自動伴奏など多岐に渡るが、個々の応用に対してのモデルの詳細な定式化を行ってきた。また、それぞれのモデルに対して、推定・学習アルゴリズムに高速化やモデルのパラメータフィッティングなどが必要となるが、前者に関しては、上に挙げた一般的なモデルの解析とともに個々の状況に適応したアルゴリズムの構築を進め、後者に関しては、パラメータフィッティングに必要なデータの収集を同時に進めてきた。また、個々の応用例に対して具体的なアルゴリズムを構築し、これの評価試験および他のアルゴリズムとの比較を行っている。 これらの研究の一部は、既に学会において研究発表を行っている。また、既に投稿済みの雑誌論文や学会発表もあり、これらは平成26年度に行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、申請時に既に多くの予備的検討を行っていたため、これまで大きな問題なく研究計画に乗っ取りおおむね順調に進展している。研究課題の要である出力合流型隠れマルコフモデルの構築に関しては、多くの考察を行い様々な角度から検討をしており、既に研究発表を通して他の研究者からの批判および理解を得ている。よって基礎となるモデルの構築に関しては、ほぼ完了している。また、基礎モデルの個々の問題に関する応用も着実に進められている。平成25年度は研究期間が半年であることもあり、まだ実際の研究発表の件数は少ないが、既に他の研究発表、また論文誌の投稿を行っており、これから活発に研究成果の発表を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、本研究課題の2年目である平成26年度は、提案する出力合流型HMMの具体的な音楽情報処理における応用の開発に取り組むことを計画している。また、これら成果をまとめ、様々な方法で研究発表していくことを予定している。既に、楽譜追跡及びピアノの両手運指決定、合奏曲からのピアノ用自動編曲への応用に関しては、国内の研究会において発表を行っているが、今後国際会議での発表および論文投稿による研究発表を予定している。また、これらの他、自動採譜や自動作曲における応用も考えられるため、こちらも定式化を行い、研究成果としてまとめ、発表をしていきたい。
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