2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全と自然資源利用の両立-事例を用いた共存モデルの構築-
Project/Area Number |
25881003
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渕上 ゆかり 大阪大学, 環境イノベーションデザインセンター, 特任助教 (70712834)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2016-03-31
|
Keywords | 持続可能性 / 地域 / 資源保全 / 在来の資源利用手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現象の危機に瀕するマングローブ林生態系の保全のために、環境負荷と地域住民の意識状況を明らかにした。毎木調査からは、バタム島全体の平均総成長量は899,916t/年、平均地上部成長量は610,996t/年と概算された。聞き取り調査の結果からは、平均製炭用伐採量は148,898t/年と概算された。これらの結果から、バタム島における地域住民によるマングローブ製炭業は、比較的環境へのインパクトが小さい状況で行われていると考えられる。この要因として、法規制および製炭業従事者による自主規制(炭釜容量の制限、手作業の維持、択伐)が、聞き取り調査から明らかになった。本研究による調査からは、マングローブ林の成長量に対する最適な伐採量を明示することはできなかった。しかし、植生調査では調査プロットの比較に関する条件について新たな示唆を得たので、今後の研究に生かしたい。 また自主規制が生まれるまでには、地域住民と行政の間での複雑な心理変化の過程がある。伝統的な利用方法であるマングローブ製炭業は、地域の住民にとって重要な生業であった。しかし、マングローブの伐採がインドネシアでも法的に規制されるようになった。バタム島では、2008年にそれまで効力を持っていた製炭業許可証が、正式に廃止されたことが公的な禁止の開始である。だが、それまで製炭業を行ってきた地域住民は急には他の生業を見つけられず、また地方政府や自治体も代替の職を与えることが出来なかった。そんな中、早々に製炭業を離脱した華僑の商人がマングローブ木炭の輸出業に特化しだした。その結果、木炭の流通経路が確保され、地域住民の中では製炭業は高収入を得られる生業として認識され、新たに従事する者が現れた。また、木炭は本地域においては重要な輸出製品の一つであり、木炭の状態では樹種の特定などが正式にはされずに輸出されるため、地方政府も黙認状態となっていた。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)