2013 Fiscal Year Annual Research Report
HDLコレステロールの上昇に効果的な身体活動パターンの検討
Project/Area Number |
25882006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻本 健彦 筑波大学, 体育系, 研究員 (00713299)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 身体活動量 / 身体活動パターン / 高比重リポ蛋白コレステロール / 運動プログラム |
Research Abstract |
HDLコレステロールの低値は循環器疾患の発症リスクを増加させる。HDLコレステロールを増加させる方法として、身体活動を増加させることが効果的であることは以前より知られているが、どのような強度で、どの程度の時間継続しておこなえば良いかなどはよく分かっていない。 平成25年度は、HDLコレステロールの上昇に対してより効果的な身体活動パターンを検討することを目的とした。HDLコレステロール低値のリスクが高いとされる中年肥満男性36名を対象に12週間の運動実践を含む生活習慣介入をおこない、介入前後におけるHDLコレステロールの変化量と身体活動諸量(低強度身体活動時間、中・高強度身体活動時間)の変化量との関連を探索的に分析した。その結果、3メッツ以上の中・高強度身体活動時間の変化量との間に有意な正の相関(r = 0.37)を認めた。さらに、中・高強度身体活動時間の継続時間(10分未満の細切れ活動および10分以上の継続活動)に着目して検討したところ、10分以上継続した中・高強度身体活動時間のみと有意な関連(r = 0.47)を認めた。これらのことより、HDLコレステロールを上昇させるには、ある程度の時間(10分以上)継続した中強度以上の身体活動が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、介入研究をおこない、データを収集することができた。しかし、HDLコレステロール分画の測定やより詳細な身体活動パターンの検討が不十分であるため、早い段階でそれらの検討をおこなう必要がある。そのため、計画以上の進展とはいかないまでも、概ね計画通りに課題を遂行できていると考えられる。身体活動量の評価に関する情報収集をおこなうため、第68回日本体力医学会大会に参加し、様々な研究者と意見交換をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果をもとに、HDLコレステロールの上昇と身体活動促進を企図した介入プログラムを作成し、実現可能性を検討する予定である。
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