2013 Fiscal Year Annual Research Report
レポートのプランニング過程を協同的に内省するための学習環境に関する研究
Project/Area Number |
25882009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘野 泰一 東京大学, 大学総合教育研究センター, 特任研究員 (80714336)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | 教育工学 / アカデミック・ライティング / 可視化支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学の正課課程外におけるアカデミック・ライティングの指導を支援するシステムを開発することである。開発するシステムは、大学生のレポートのプランニング過程を記録・可視化を行うことができる。このシステムを使用することで、指導を行うチューターの支援を行うことを目的としている。正課課程外におけるアカデミック・ライティングの指導は近年広がりを見せており、その指導方法の確立は重要な課題である。 本年度の具体的な研究実績は以下の3点である。1点目は、システム開発のための理論的検討(先行研究レビュー)である。具体的には、(1)ライティング・センターにおけるチューターの指導に関する研究、(2)文章執筆過程に関する認知研究、(3)可視化による学習支援に関する研究、の調査を行った。この調査を行うことで、開発するシステムの具体的な要件や支援原理について検討を行った。2点目は、システムのインタフェースの具体的な検討である。開発するシステムの要件を満たす、具体的なインタフェースについて検討を行った。その上で、実践で使用する実機の選定及び、使用テストを行った。3点目は、実践のプログラム案の検討である。開発したシステムを使った、正課課程外におけるアカデミック・ライティング指導プログラムの検討を行った。プログラム案については、実際に正課課程外でアカデミック・ライティングの指導経験があるチューターにアドバイスをもらいながら作成を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度はおおむね順調に進展していると考えられる。本年度の計画は、1.先行研究の検討、2.システムの仕様設計、3.システムのプロトタイプ開発と修正、という3点であった。研究実績で示した通り、本年度は、先行研究の検討を行うことで、具体的にどのような機能を開発するべきかという要件の導出が行えた。また、その要件をもとにしたシステムの仕様設計が完了している。本年度はこれらをもとに、システムの開発を行っていくことで、計画通り研究が進行すると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の計画については、1.システムの開発、2.システムの効果の検証、という2点を行っていく予定である。本年度の研究により、開発すべきシステムの要件や支援原理が明らかになった。さらに、システムのインタフェース案の検討が行えた。これらの点を踏まえ、実践に使用するシステムの開発を行っていく予定である。システムの開発においては、大学生やチューターに使用してもらうことで、実践に耐えうるシステムを開発予定である。 システムの開発が終わり次第、システムの効果を検証するための評価実験を行う予定である。評価実験では、正課課程外で指導を行っているチューターや、大学1・2年生にシステムを実際に使用してもらう。実践中のデータや、実践後のインタビュー、アンケートを行うことで、システムの有効性を検証する。 以上のシステムの開発及び評価の結果については、学会にて発表を行い、論文として投稿予定である。
|