2013 Fiscal Year Annual Research Report
乳児期初期における睡眠時脳活動と覚醒時自発運動の連関
Project/Area Number |
25882013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀間 裕貴 東京大学, 教育学研究科(研究院), 研究員 (50708039)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 自発運動 / 乳児 / 睡眠時脳波 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児期初期における脳の自発的な活動はどのように営まれ,その脳の自発活動がヒトの“状態”をどのように作り出しているのか.また,それらはどのように発達・変化していくのか.このような問いを通して発達のメカニズムを解明し,発達障害の理解につなげることが本取り組みの目的である.本取り組みでは生後2~3 ヵ月の乳児を対象として,三次元動作解析装置と脳波計を用いて自発運動と睡眠時脳波をそれぞれ計測し,その特性の連関を検討するべく,25年度は被検児のリクルート,実験(データ計測)手法およびデータ解析手法の検討,データ計測(予備実験)に主に取り組んだ.約20例の児および保護者に協力を仰ぎデータ計測を実施した結果,一定時間(40分以上)の睡眠状態を安定して得ること,適正な覚醒状態で10分間の自発運動を計測することは容易でないことが理解でき,また,得られたデータの分散の大きさから,定型発達児における発達の差異を認識することができた.この結果より,覚醒時自発運動と睡眠時脳波をより安定して計測するため,当初の計画を延長して方法論の見直し(計測条件や計測環境の検討)に取り組んだ.また,ヒトの正常発達に関する事前調査についても延長して実施し,乳児の多様な個体差についての理解を深めた. 26年度は新たに50名ほどの乳児をリクルートし,より安定性のある自発運動および睡眠脳波データを計測し,得られたデータの具体的な解析に取り組む.また,その結果を国内外での学会発表および学術誌への論文投稿を通して公表していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度12月,乳児における睡眠時脳波および覚醒時自発運動の計測法を確立するための予備実験の過程で,対象とする生後2~3ヵ月時の乳児が多様な個体差をもつため,条件の設定が予想外に困難であることが判明した.結果,ヒトの正常発達に関する事前調査と計測条件検討を延長することとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
計測条件等の再検討により,安定したデータを計測できるようになった.今後は新たに50名ほどの乳児をリクルートし,より安定性のある自発運動および睡眠脳波データを計測し,得られたデータの具体的な解析に取り組む予定である.また,その結果を国内外での学会発表および学術誌への論文投稿を通して公表していく予定である.
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