2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の睡眠と活動量の関係についての疫学調査と不眠抑制に資する運動処方の提案
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25882030
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
守田 優子 東京医科大学, 医学部, 助教 (50710068)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者 / 不眠症 / 運動 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動は不眠症状を有する者の睡眠の質を改善することがしられているが、これまで、適切な運動時間帯についての検証と、不眠症状別にみた運動効果の検証は行われていなかった。26年度は、不眠症状を有する中高齢者を対象に、朝・夕の異なる時間帯における運動実施の主観的・客観的睡眠に及ぼす効果、および症状のタイプによる効果の差異について検討した。 健常群13名、不眠群27名(入眠困難12名、早朝覚醒15名)の計40名(女性25名、平均年齢58.5歳)を対象に、中等度有酸素運動を9時半から開始する朝運動条件、17時半から開始する夕方運動条件、運動をしない基準条件を行い、各条件実施と同日夜に終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)を行った。PSG起床時に、主観的な睡眠の質を10段階の自記式尺度を用いて評価した。 主観的な睡眠時間の改善者の割合は、健常群に比して不眠群で有意に高く、朝運動条件でのみみられた。一方、客観的睡眠指標については、両群共に朝運動条件でPSGにおけるステージシフト回数が有意に減少した。症状別にみると、健常、入眠困難、早朝覚醒の全群で、朝運動による睡眠後半のステージシフト回数および覚醒指数の有意な減少を認めたが、睡眠後半の覚醒段階への移行回数は入眠困難群では朝運動、早朝覚醒群では夕方運動で有意に減少した。本研究により、朝の有酸素運動は単回であっても、夕方のそれに比して中高齢者の主観的睡眠感を改善させ、客観的睡眠指標においても睡眠の安定性を高めることが明らかになった。また、この効果は特に夜間後半でみられ、早朝覚醒群に比して入眠困難群で顕著にみられることも明らかになった。したがって、朝運動は中高齢不眠の非医薬物療法として期待できよう。また、単回(短期)の運動の睡眠に対する効果が示されたことは、中高齢不眠症者の長期的な運動習慣の形成意欲の向上にも貢献すると考える。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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