2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管疾患患者の振動刺激による運動錯覚が及ぼす脳内神経活動および機能的連関の解明
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25882038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708371)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ニューロリハビリテーション / 運動錯覚 / LORETA解析 |
Research Abstract |
目的は,健常者と脳血管障害患者において,振動刺激が感覚運動領野及び関連領野へどのような影響を及ぼすのかを検証し,さらにそれらの機能的連関について解明することである。ニューロリハビリテーションにおいて,振動刺激による介入は,実際の運動を行わずとも,運動錯覚として自分自身の手足が動いているような運動感覚を脳内に創出できる。この運動錯覚を惹起する脳領野と,運動感覚情報処理に関連する脳領野との関連性の解明に加え,神経ネットワーク再構築において重要となる領野間の神経生理学的機能的連関を解明することに意義がある。本研究は,健常者と患者における脳内神経情報処理機構の違い(機能的差異)を解明し,脳血管障害後遺症により実際に動かすことに難渋している方々に対する新たな感覚運動機能改善プログラムの創出のための基礎研究である。 平成25年度は,まず健常者において,振動刺激が脳領野へどのような影響を及ぼすのかを検証し,その神経活動脳領野における機能的連関を明らかにした。脳波周波数および脳イメージング解析により解析した結果,運動野,感覚野,補足運動野に神経活動性を認め,本領域での半球内および半球間における有意に強い機能的連関を認めた。このことから,振動刺激がもたらす運動錯覚の感覚運動情報処理には,運動感覚領野の機能的ネットワークが基盤となっている可能性が示唆された。次に,脳血管障害患者においても検証を行い,運動障害があっても運動錯覚が感覚運動領野の神経活動性を高めることが明らかとなったが,両者の補足運動野における神経活動性の違いも明らかとなった。これらにおける機能的連関の解明に関しては,現在も研究を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度,運動錯覚を惹起する脳領野を検証し,その機能的連関について,健常者と患者の間には機能的差異がある可能性を明らかにした。両者の機能的連関に関する比較検討へ向けて,患者データの収集はほぼ終え解析を進めているが,年齢等に関する統制の厳密化を図るために,健常者をリクルートし再計測中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き,当初計画していた通りに研究を遂行する。脳血管障害患者に関する解析は,機能的連関の検証まで進めることができ順調である。平成26年度は,早急に健常者のデータ収集および解析を終え,両者における機能的連関について比較検討することで,本研究の最終目標である脳内神経情報処理機構の機能的差異の解明を行う。
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Research Products
(3 results)