2013 Fiscal Year Annual Research Report
国境を越える性の売買と国際的廃娼運動-日英帝国関係史を中心に
Project/Area Number |
25883005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 葉子 大阪大学, 文学研究科, 助教 (60613982)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | 廃娼運動 / 救世軍 / 矯風会 / 買売春 / 公娼制度 / ジェンダー / イギリス / 日本 |
Research Abstract |
本年度は、日英両帝国間の廃娼運動の人的交流についての資料調査を進め、それと並行して、「越境」とジェンダーに関わる理論的整理を行った。 資料は、主に、イギリス・ロンドンのLondon School of Economics and Political Scienceの図書館とthe British Libraryで収集した。今回の調査によって、国際的廃娼運動のネットワーク形成の中心的役割をになったイギリスから、日本へ廃娼運動家が派遣された経緯と、その来日前後の動向に関わる資料を得ることができ、日本の廃娼運動史を世界史的に把握するための手がかりを得た。 また、本研究をスタートさせる前から進めていた予備的調査に基づき、女性史の国際学会(International Conference ‘Women’s Histories: the Local and the Global’, International Federation for Research in Women's History & Women's History Network, Sheffield Hallam University (UK), 29 August - 1 September 2013)において、 "The Influence of British Movement against Licensed Prostitution upon Japanese Society in the Meiji Era (1868-1912)"と題する研究発表を行った。 「越境」とジェンダーに関わる理論的な整理の成果としては、「〈帝国=家庭〉の「外」に人の暮らしを見いだすということ(特集「越境と文化」)」(『日本学報』大阪大学大学院文学研究科日本学研究室、第33号、pp.79-82、2014年3月)を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ほぼ予定通り、London School of Economics and Political Scienceの図書館とthe British Libraryでの資料調査を実施することができ、現在、収集した資料の分析を進めている。 また、その分析・整理にあたって必要な理論的枠組みについての研究も、並行して進めつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も、イギリスの廃娼運動と日本のそれとの人的交流と思想的影響関係についての調査を継続的に行う。 本年度の研究実施の過程で、特に19世紀末から20世紀初頭の時期にかけてのイギリスの廃娼運動関連の情報については、アメリカの廃娼運動団体を経由して日本に伝わったものも少なくないことが明らかになったため、本研究のスタート時点では、資料調査はイギリスと日本だけで行う予定であったが、その予定を変更し、26年度には、追加的に、アメリカ議会図書館所蔵のイギリス廃娼運動関連資料の調査を行うことを、新たに計画している。
|