2013 Fiscal Year Annual Research Report
インド、ブラマプトラ川河岸に住む外来住民と在来住民の「洪水とともに生きる知恵」
Project/Area Number |
25883007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
浅田 晴久 奈良女子大学, 人文科学系, 講師 (20713051)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | インド / アッサム州 / ブラマプトラ川 / 洪水 / ムスリム移民 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
2013年度は前年度までにインド・アッサム州で実施した現地調査の成果をまとめ、英文誌と和文誌に2本の論文を発表した。この中で、アッサム州の多民族社会を理解するためには、各民族の生業活動に表れる生態環境への適応技術に着目することが肝要であることが示され、今後は自然環境や社会の変容過程を明らかにする環境史的アプローチが課題とされた。 2013年8月16日から8月23日にかけてインド・アッサム州において現地調査を行った。これまではブラマプトラ川渓谷の中間平原地帯に暮らすアホムやオホミヤといった在来住民の環境適応技術を明らかにしてきたが、今回はブラマプトラ川河岸の洪水常襲地帯に暮らすムスリム住民の村落を対象とするために、調査村の選定を進めると同時に、土地利用や生業様式について聞き取りも行った。 9月以降は2011年度のセンサスデータを入手・分析して、インド北東地方の社会経済状況を整理して最新の状況把握に努めた。その成果は国内と国外で開催された研究集会で報告した。 2014年2月28日から3月7日にかけて再びインド・アッサム州において現地調査を行った。調査村落で現地協力者とともに住民より聞き取り調査を実施したところ、ブラマプトラ川近傍に住むムスリム住民がアッサム在来のものとはまったく異なる技術を導入することで水が過剰にある生態環境に適応していることが分かってきた。今後も現地調査を継続し、洪水適応技術の習得過程について明らかにする予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査地域が政治社会的に不安定な状態にあり慎重に活動する必要があるが、最大の懸案事項であった調査村落と現地協力者(アシスタント)の選定に成功したことで、研究課題の遂行条件が整ったといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに調査村落に暮らすムスリム移民の生業様式について一通りの知見を得ることができた。今後はサンプル世帯に対してインテンシヴな調査を行うことで考察を深めるとともに、二次資料の収集・分析により調査地周辺の環境変化も同時に明らかにしていく。
|
Research Products
(8 results)