2014 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカの国家・社会変容と人の国際移動に関する比較史的研究
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25883008
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
網中 昭世 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (20512677)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | アフリカ / 移民 / 経済史 / 国家 / 社会変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施したポルトガル調査およびその後の資料分析からは、ポルトガル外務省付設外交文書館、ポルトガル海外領歴史公文書館よりも、むしろ同国軍事歴史公文書館に豊富な関連資料が所蔵されていることが確認された。 今年度の資料分析から、上記の理由として次の2点が明らかになった。一つは、労働力供給をめぐる国家間協定の枠外にある移民(その大部分が非正規移民)の発生地域が領内の辺境にあたる国境地帯に集中するためである。もう一つは、移民の発生原因が当該植民地の宗主国および隣接植民地の宗主国による軍事行動と密接にかかわっているためである。なお、上記の移民の発生原因については、研究対象の中心であるモザンビークおよびアンゴラ双方に共通している。 上記の点を受けて本年度の調査では、これまで重点的な調査対象地域としてきたモザンビーク南部との国内地域格差を比較するため、同国北部の地方行政文書資料の調査を行った。また、前年度ポルトガル軍事歴史公文書館における調査によって明らかになったアンゴラ各地の軍事行動の展開に関する情報をもとに、その対象となった地域を特定し、当該地域情報を収集するためにアンゴラ国立公文書館での調査を行った。それにより、前年度の調査が南北ローデシア(現ザンビアおよびジンバブウェ)に流入するモザンビークからの非正規移民の規模について把握した一方で、今年度の調査ではアンゴラから北ローデシア(現ザンビア)およびドイツ領西南アフリカ(現ナミビア)に流出する移民の流れと移動の動機を生み出す要因を究明した。 また今後の調査に繋がる現地研究者との研究交流を行い、関係国の資料状況についても有益な情報交換をできたことも大きな成果であった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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