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2013 Fiscal Year Annual Research Report

本邦における「全相平話」の受容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25884005
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

菅原 尚樹  東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (30712286)

Project Period (FY) 2013-08-30 – 2014-03-31
Keywords抄物 / 前漢書続集 / 比較文学
Research Abstract

本邦の抄物『漢書抄』は、『漢書』を講義する際の手控えとされ、大部分は本邦の『史記抄』や、中国の史書や経書といった伝統的な漢籍の記載を引用して成っている。ところが、「高后紀」と「文帝紀」には、中国の白話作品である『前漢書続集』が引用されているのである。本研究は、『漢書抄』の両帝紀における『前漢書続集』の引用態度を考察し、16世紀の本邦の知識人が中国の白話作品をどのように受容しているか明らかにすることを目的とした。
研究は実施計画に則り、『漢書抄』「高后紀」および「文帝紀」と『前漢書続集』を比較対照し、語句の削除・変更等について検討を加えた。その過程において、『前漢書続集』の内容を踏襲して成る明代の歴史小説『全漢志伝』『中興伝誌』についても取り上げ、文字の改訂に対する彼我の差を考察に加える必要が生じた。そこで蓬左文庫が所蔵する『全漢志伝』『中興伝誌』の善本を調査した。
以上の検討を通じて、『漢書抄』「高后紀」と「文帝紀」は節略に過ぎる部分が見える点は否定できないが、総じて文意を汲み取れるよう配慮し、『前漢書続集』を抜き書きして成る筆録であると結論づけるに至った。
なお「高后紀」と「文帝紀」のなかには、『前漢書続集』の一連の話柄を断続的に書き抜いている部分、ないしは連続して大量に引用している部分がある。いずれも呂后あるいは呂氏、文帝にかかわる、史書等に一致する記載がない部分である。その引用の意図についても検討した。検討を通じて、「高后紀」と「文帝紀」のかかる引用は、『漢書』の講義に、史書等の記載とは異なる呂后および文帝にまつわる物語的な要素を加える意図によると結論づけるに至った。
研究内容が大部となり、研究年度内に成果を公刊するに至らなかった。以上の研究結果を学術雑誌に投稿するべく目下準備中である。成果は数篇に分けて発表する予定である。

Current Status of Research Progress
Reason

25年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

25年度が最終年度であるため、記入しない。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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