2014 Fiscal Year Annual Research Report
近代ヨーロッパ境域権力の比較史研究:ロレーヌ=エ=バール公権の領邦君主権を事例に
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25884006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
帆北 智子 東北大学, 国際文化研究科, GSICSフェロー (90713214)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2016-03-31
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Keywords | ロレーヌ公国 / パリ高等法院 / フランス王権 / 神聖ローマ帝権 / 領邦君主権 / 主権 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,近代ロレーヌ=エ=バール公権(以下,ロレーヌ公権と略記)という独仏二大強権に挟まれた境域権力による領邦君主権の構築局面を,仏独(フランス王権,神聖ローマ帝権)双方との関係から改めて捉え直し,ロレーヌ公権の史的再評価を行うことである。 平成26年度は諸般の事由によって計画通りに研究を進めることができなかったため,研究費の大半を翌年度10月まで繰り越して研究作業を再開させた。これにより,平成27年度にはロレーヌ地方のムルト=エ=モゼル県文書館やムーズ県文書館を訪問して,不足していた史料の収集をおこなうことができた。ここで収集した史料に関しては分析作業の途中で研究期間が終了してしまったものの,今後は順次,えられた研究成果を発表していく。 他方,平成26年度には,前年度までの研究経過と今後の展望について口頭発表をおこなった。具体的には,ロレーヌ公権とフランス王権ないしはパリ高等法院の間でバロワ地域の統治をめぐって行われた論争をもとに,ロレーヌ公権が展開した領邦君主権の論理ついて考察したものである。また,平成27年度には,神聖ローマ帝権との関係も本格的に視野にいれた論考を発表した。この論考では,領邦君主権と関連する概念である「主権」や「領邦高権」に論及したドイツ史研究の成果を手がかりにして,ロレーヌ公権がもつ領邦君主権の歴史的特質に接近するためのより有効な方法論を模索した。くわえて,現在,ロレーヌをめぐってフランス王周辺とパリ高等法院がもつ利害の異同についても分析中である。これに関しては近いうちに論文としてまとめ,発表する予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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