2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25884018
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
長屋 尚典 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (20625727)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | 言語学 / 言語類型論 / フィリピン諸語 / 他動性 / ヴォイス |
Outline of Annual Research Achievements |
タガログ語を含むフィリピン諸語は焦点体系と呼ばれる動詞形態論を持ち、一つの語根から複数の動詞が派生される複雑なヴォイス現象・項交替現象を示す。申請者の考えでは、この動詞形態論に関する従来の研究には動詞分類という観点が欠けていた。しかし、Levin (1993) による英語の動詞分類の先駆的研究からも明らかなように、ヴォイス現象や項交替現象においては、動詞分類の観点が有効である。そこで本研究計画では、動詞分類が [I] 焦点体系による動詞派生をどのように制限し、[II] ヴォイス現象・項交替現象にどう影響するのかを解明する。 平成26年度は、平成25年度に行った基礎的調査に基づいて、フィリピンでフィールド調査を行い、データを収集した。3人の言語コンサルタントの補助のもと、選定した語根に関連する項交替現象やヴォイス現象の形式と意味について集中的に調査した。その上で、収集したデータを整理し、データベース化を試みた。タガログ語の辞書データも補助的に利用することでデータベースのサイズを大きくした。 以上の研究の結果、本年度はタガログ語について以下の言語現象に動詞分類が大きく関わっていることを明らかにした: (a) pa-分詞構文、(b) 移動表現、(c) 重複構文と反復構文、(d) naka-結果状態構文。さらに、タガログ語と同じオーストロネシア語族に属するラマホロット語の複他動詞構文についても動詞分類の考え方を用いて論文を発表し、動詞分類に注目する本研究計画の方針が他の言語の研究にも有用であることを示すことができた。 こうして本研究計画は、語根に注目した動詞分類という方法が、タガログ語を含むオーストロネシア語族の研究において重要な役割を果たすことを実証的に明らかにした。この点で意義が大きく重要である。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Documenting Lamaholot2015
Author(s)
Naonori Nagaya
Organizer
ILCAA Joint Research Project "Constructing a research network for documenting minority languages in and around Indonesia"
Place of Presentation
ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies
Year and Date
2015-03-17 – 2015-03-17
-
-
-
-
-
-
-
-
-