2013 Fiscal Year Annual Research Report
中世公家の和歌活動と歌学継承の研究―飛鳥井雅康・雅俊を中心に―
Project/Area Number |
25884049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日高 愛子 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 研究員 (20706741)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 中世 / 和歌 / 蹴鞠 / 飛鳥井家 |
Research Abstract |
研究初年度である本年度は、(1)飛鳥井雅康の「百首歌」「五十首歌」「三十首歌」「二十首歌」「十首歌」諸本の蒐集・整理と検証、(2)飛鳥井雅俊の「百首歌」「五十首歌」諸本の蒐集・整理と検証、(3)飛鳥井雅康の「鞠道三十首之和歌」「蹴鞠百首和歌」の調査・整理と検証について、先ず伝本の整理と調査、及び書誌的事項や本文のデータを纏める作業を中心に行った。伝本の蒐集・整理は、国文学研究資料館での紙焼き資料・マイクロフィルム資料による確認作業のほか、祐徳稲荷神社、岡山大学などにおいて調査を行った。また、調査の過程で、「蹴鞠百首和歌」の新出伝本を古書店より入手できたため、併せて本文の調査を行った。 (1)については、「百首歌」「五十首歌」「三十首歌」「二十首歌」「十首歌」の伝本を調査し、翻字データの入力と諸本間の異同の確認を行った。(2)については、「百首歌」「五十首歌」の伝本を調査し、翻字データを入力した。その成果として、雅康と雅俊の「五十首歌」の詠草時期や表現内容に関する研究発表を行った(第35回古典研究会、於 福岡大学)。これにより、『雅俊五十首』の殆どが、三条西実隆の他撰歌集『雪玉集』未収歌を集録した宮内庁書陵部蔵「集雪追加」(孤本)に収録されていることが明らかとなり、従来実隆の歌集とみられていた「集雪追加」の成立に関する問題も新たに見出すことができた。 また、奥書等の書誌的事項や本文の検討により、雅康の「五十首歌」の成立の背景と和歌の具体的特徴について明らかにすることできたため、その成果を祐徳稲荷神社中川文庫本の翻刻とともに論文として纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として、伝本を蒐集・整理し、書誌的事項について精査することに注力したが、予定していた通りに、伝本の調査を終え、書誌的事項や本文などの確認を行うことができた。また、当初予定に入れていなかった「蹴鞠百首和歌」の伝本(巻子本)の存在が判明し、入手することができた。翻字データの入力作業も予定通り進んでおり、伝本間の異同も整理できており、成果として、研究発表と論文を発表した。 以上の理由により、本年度の研究はおおむね順調に進んだと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策について、当初予定していた内容から特に変更はない。本年度までに得られた伝本の調査結果を踏まえながら、より具体的に飛鳥井雅康・雅俊それぞれの詠草について精査していきたい。加えて、次年度では、(1)雅康の和歌詠草の集成と検証、(2)雅俊の和歌詠草の集成と検証を行い、歌学書や作法書との比較も行いながら、多角的に考察を進める予定である。また、飛鳥井雅康・雅俊の和歌データベースと年譜を作成し、本研究の成果を纏める予定である。
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Research Products
(2 results)