2014 Fiscal Year Annual Research Report
中世公家の和歌活動と歌学継承の研究―飛鳥井雅康・雅俊を中心に―
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25884049
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
日高 愛子 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (20706741)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 中世 / 和歌 / 蹴鞠 / 飛鳥井家 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる本年度は、前年度に引き続き(1)飛鳥井雅康・雅俊の定数歌に関して考察した。その結果、祐徳稲荷神社中川文庫に「雅俊五十首」として蔵される五十首について、雅俊作ではなく三条西実隆の詠草であること、その本文形態から、実隆の草稿を推敲も含めて忠実に転写した貴重な資料であることを明らかにした。この成果は、第60回和歌文学会大会(2014年10月、於青山大学)で口頭発表を行ったほか、論文としてまとめ、『和歌文学研究』第110号(2015年6月)に掲載予定である。また、雅康の定数歌に関して、管見に入った伝本全ての書誌調査の結果をまとめ、詠草年次とその内容について精査し、雅康が定数歌において歌道・蹴鞠道の継承や自らの社会的立場を表現していたこと、そこから庶流としての雅康の在り方と嫡流の雅俊との相違が認められることなどを明らかにした。この成果は、第64回西日本国語国文学会(2014年9月、於梅光学院大学)で口頭発表を行った。同内容は論文としてもまとめており、近時発表予定である。これらの研究に加え、本年度では、(2)飛鳥井雅康・雅俊の和歌詠草の集成と検証を行った。その一つとして、祐徳稲荷神社中川文庫蔵『雅俊詠草』を再調査し、雅俊自筆とされる『新編私家集大成』所収の井上氏旧蔵本および刈谷市中央図書館村上文庫蔵の抄出本との本文比較を行い、大永四年分の詠草にみられる大内義興とその家臣による文化圏と晩年の雅俊の姿について考察した。この内容は資料の翻刻紹介も兼ねて『文献探究』53号(2015年3月)に掲載予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)