2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25884078
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
根津 朝彦 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70710044)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 多田道太郎 / 桑原武夫 / ジャーナリズム / ジャーナリスト / 言論力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦後日本のジャーナリズムで活躍した知識人の研究として、「戦後京都学派」の中心人物であった桑原武夫と多田道太郎の2人の研究を進め、前者は戦後啓蒙期の戦後思想、後者は日本近現代の自由主義の中に位置づける論文をまとめて発表した。 特に後者の「多田道太郎の自由主義」では、多田道太郎が1960年代に展開した自由主義とは何かを明らかにした。それは広津和郎論を端緒とする文学から自由主義を考察するものであった。とりわけ多田の「解説 日本の自由主義」(1965年)は中核を占めるもので、それは戦前自由主義の遺産をとらえるために幅広い「自由人」をも対象とする自由主義の多元的拡張の実践であった。さらに2本の大杉栄論を潜ることで、彼の自由精神の行方は、遊び論と合流していくことを意味づけた。 アメリカのワシントンDCの調査では、戦後日本ジャーナリズムを考える上でも欠かせない、日米関係の報道を担う特派員の記者と複数人面会しその活動を理解し、ニュージアムでジャーナリズム史に関わる展示を見学した。この調査で、『ワシントン・ポスト』を中心としたキーパーソンとなるジャーナリストの自伝・評伝関係の文献を入手し、「言論の自由」観の相違を含めて戦後日本を複眼的に位置づける視点を深めることができた。 また日本史研究会の例会では、共同通信社会部デスクの原寿雄が、小和田次郎の仮名の下で1963年から1968年までのジャーナリズム内部の編集過程を詳細に綴った『デスク日記』を通じて主に新聞社の内部と外部に即した言論力学を考察する報告を行った。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)