2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代哲学における「政治的なもの」概念の究明:ナンシー哲学研究を中心として
Project/Area Number |
25884079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柿並 良佑 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (40706602)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 哲学 / フランス哲学 / 存在論 / 政治思想 / ヨーロッパ現代思想 |
Research Abstract |
現代哲学における「政治的なもの」概念の究明という当初の計画に従い、ジャン=リュック・ナンシー&フィリップ・ラクー=ラバルトが編集した論集『政治的なものを賭け直す』(1981年)および『政治的なものの退引』(1983年)の読解を主軸に据えた研究を行った。この2冊の論集は80年代以降のフランスにおける政治哲学、さらには現代哲学の展開を知る上で重要な役割を果たしたが、その全貌に関する研究はいまだ十分とは言い難い。 研究代表者はこれまでのナンシー研究を継続・発展させる形で上記研究に取り組んでおり、その成果は本年度に発表した論文「存在論は政治的か?」(『思想』岩波書店、2014年2月号)に直接的に、また「有限者の試練」(『現代思想』青土社、2014年2月号)にも間接的に反映されている。以上の論文執筆と同時に、上記の論集自体もその意義に鑑みれば日本語でのアクセスが可能であることが望ましいと判断し、翻訳ないし部分訳を準備中である。 また年度中にはフランス国立図書館等での資料調査を主眼としたパリでの在外研究を行った。加えて、上記論集をめぐってナンシー本人への聞き取り調査をも行った。その他、今日の哲学研究を牽引する、ナンシーよりも若い世代の哲学者・研究者とも積極的にコンタクトをとり、本研究の核である「存在論と政治哲学の接点」を問い直す共同研究体制を検討中であり、その成果は次年度の研究の進展を待って発表される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の成果として、すでに複数の媒体に研究論文を執筆しており、いずれも当研究計画と直接間接の関係を有するものである。また大学の春季休暇を利用した在外研究では、予定していた研究者とのコンタクトにも成功し、新たな学術的交流をも得ることができた。以上によりおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果を踏まえて、文献調査・読解・論文執筆を中心によりいっそう研究活動を推進していくとともに、国内外でのワークショップの開催など、人的交流の面でも積極的に計画を実現していく予定である。
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