2014 Fiscal Year Annual Research Report
製品の使用状況を考慮した経験価値マーケティング:認知的視点からの検討
Project/Area Number |
25885006
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
鈴木 和宏 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10708366)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ブランド・エクスペリエンス / 経験価値 / 使用状況 / 状況要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は使用状況による製品のブランド・エクスペリエンス(BE)への影響を認知的な視点から検討を行うことで、使用状況を考慮した経験価値マーケティングの在り方を検討することである。 前年度では、状況的関与度が高まる使用状況において製品の使用がなされるとBEに対してポジティブな影響があることを複数ブランド、複数製品カテゴリーで検証した。しかし、使用状況横断的な検討は行えていなかったため、本年度は二つの調査を通じて、使用状況横断的な検討を行った。 先行研究のレビューより使用状況とBEは知識であると捉えた上で、一つ目の調査では複数の使用状況によるBEへの影響を検証した。その結果、①使用状況によりBEに影響を与える場合とそうでない場合がある点、②使用状況は認知構造であり認知次元を持つ点、③BEに影響を与える使用状況は認知次元上において差異がある点を確認した。これらは使用状況が消費体験の解釈を方向付けるスキーマとして作用していることを示唆している。 そこで二つ目の調査では、使用状況による認知次元を通じたBEへの影響と、前年度検証した使用状況による状況的関与度を通じたBEへの影響を、一つのモデルに組み込み検証を行った。結果、使用状況はその認知次元を通じて状況的関与に影響を与え、状況的関与はBEに対してポジティブな影響を与えていることが示された。使用状況の認知要素のうち「楽しさ」「活動的な」「親密な」「友好的な」といった評定からなる認知次元は、状況的関与にポジティブな影響を与えていた。 以上より、認知的視点から経験価値マーケティングを検討した結果、使用状況によるBEの影響があることが示された。製品の経験価値を構築する際には、BEとして解釈され貯蔵される使用状況での消費体験を訴求する必要があり、設定する使用状況は認知構造を測定しながら決定することが重要である。引き続き研究を行いたい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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