2013 Fiscal Year Annual Research Report
点図読み取り指導プログラムの開発における触図課題の作成とその配列に関する研究
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25885009
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
長尾 博 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60712908)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 視覚障害教育 / 点図 / 触図 / 点字 / 中途視覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.点図が読み取れるとは,具体的にはどのような図要素が読み取れる能力なのか,それら図要素は難易度順にはどのように排列されるのか,これらの糸口から,視覚障害当事者による触図実験を通して将来的な点図読み取り指導プログラム開発のための基礎的データを集めようとしたのが本研究である。 2.研究の第1段階として,文科省著作視覚特別支援学校用小学部用点字教科書(国語・算数・理科・社会)から,そこに用いられている点図読み取りに必要な技法をリストアップした。そして,その技法を,触知覚レベル優位のものか,認知レベル優位のものかに大別した。 3.現在は,次の段階として,それらの技法がないと読み取れない実際の点図をそれぞれのレベルにおいて難易度を考慮し60種課題作成したところである。触知覚に関する諸能力を判定する課題としては,「4種の図形の弁別課題」,「5種のサイズによる弁別課題」,「裏打ち点(凹点)の弁別課題」等を,また,触認知の諸能力を判定する課題としては,「直線の傾きをイメージする課題」,「面積をイメージで広げる課題」等を含むものとなった。これらから,具体的な実験場面に適した触図を取捨選択し,点字が読めない後天盲グループの被験者にできるだけ不利とならない実験材料の作成へと進める段階となっている。 4.また,昨年度中に終えているはずであった研究協力者との打ち合わせ・調整ができなかった点は,現在,今後の調査地となる彦根市・広島市・仙台市においてほぼその調整を終えたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
仙台・彦根・広島市での研究協力者との点図読み取り技法調査において,予定 していた現地協力者の協力が急遽一部得られなくなり,平成26年度のスタートを待って新に研究協力者の選任が新に必要となったため研究の進捗に遅滞を生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度がスタートし,新たに彦根・広島・仙台において研究協力者が選任でき,現在は,各調査地において,実際に点字読み取り調査の協力者となる視覚障害者数の確保,調査日の調整等に入っている段階である。約半年遅れていた視覚障害当事者による実験が8月から開始できる目処が立ったところである。
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