2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療政策・教育政策による人的資本蓄積のミクロ計量分析
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25885011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牛島 光一 筑波大学, システム情報系, 助教 (80707901)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 応用計量経済学 / 教育政策 / 医療政策 / プログラム評価 / 30バーツ制度 / タイ / 大気環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(最終年度)は人的資本の蓄積に関連する3件の研究を進めた。 ①医療制度の導入が家計の予備的貯蓄に与えた影響:この研究では、タイで2002年に新たに導入された医療保障制度が家計の医療支出の不確実性を減少させることを通じて貯蓄行動を変化させるかについて調べた。分析では、医療制度のもつ自然実験的な二つの特徴(制度加入の外生性、地域ごとの制度導入時期の不均一性)を利用した。それぞれの特徴を利用するための分析を異なるデータセットを用いて行い、矛盾のない結果を得ることが出来た。この成果をまとめて筑波大学のワーキングペーパーとして公表した。投稿中。 ②子供の健康の評価と母親の教育水準の関係:この研究では、教育水準の高い母親ほど子供が病院に行くべき時に連れて行けているかを調べた。医療政策および教育政策が受診行動や母親への教育投資に対して擬似実験的な特徴となっていることを利用して内生性の問題に対処している。さらに、必要なときにより受診するようになったことが子供の健康にどのような影響を与えたかを調べるために、死亡率のとの関係についても調べる。今年度は教育の内生性を考慮するための情報収集およびデータのデジタライズを行い分析した。また、タイの県別年齢別死因別死亡者数の統計を入手し、分析を行った。それらの結果をもとに研究報告を行った。 ③健康投資としての居住地選択:教育・医療政策ではないが、環境政策が人々の健康投資行動に与える影響について研究を行った。具体的には、三種類(NOx, SPM, NMHC)の大気汚染物質の情報を用いて大気環境の価値を計測した。分析の結果、それぞれ大気汚染物質は空間的に分布が大きく異なっていたが、とりわけ持ち家率の高い地域で大気環境への限界支払意思額が高くなることがわかった。これは長期の居住地選択に際して大気環境の健康へのリスクを考慮することを示唆している。投稿中。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)