2014 Fiscal Year Annual Research Report
レジリエンスを高める臨床心理学的介入プログラムの開発
Project/Area Number |
25885025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 真理 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (50707411)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | レジリエンス / アセスメント / 資質的要因 / 臨床心理学 / 介入プログラム / セルフヘルプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、個人がもともと有しているレジリエンス要因の特徴に合わせて異なるアプローチを提供できる臨床心理学的介入プログラムを考案することであった。平成26年度は、(1)セルフヘルプ・レジリエンス支援プログラムの作成、(2)webサービスの実装、(3) 実証試験を通じた効果検討、の3つを行った。 (1) セルフヘルプ・レジリエンス支援プログラムの作成:資質的レジリエンスの豊かな人に向けたワークとして、アセスメントで測定されるそれぞれの能力を生かしたコーピングについてのワークを,リフレーミング,感情コントロール等の先行知見をもとに考案した。資質的レジリエンスの少ない人に向けたワークとしては、自己肯定感を高められるようなワークを考案した。加えて、国内外のレジリエンス教育やプログラムにおいて用いられているワークを参考に、レジリエンスの基本的なワークを取り入れた。 (2) webサービスの実装:先行研究の概観から,開発する上で重要な視点を検討した上で、ユーザビリティ、インタラクションなどの要素を工夫して実装した。 (3) 実証試験:成人90名を対象に、2ヶ月間サービスを利用してもらった。本登録に進んだのは60名、プログラムを完了したのは17名であった。二次元レジリエンス要因尺度およびWHO-5の得点から効果を検討したところ、WHO-5得点については変化がみられなかったが、レジリエンス得点については有意に得点増加がみられた。継続利用者のデータの少なさから,効果の詳細な検討を行うことはできなかったが,プログラム完了者においては,自らのレジリエンス要因をより認識できるようになり,レジリエンスが向上することが示唆された。これまで臨床実践につながりにくかったレジリエンス基礎研究の知見を,実際の支援に生かしたことで,レジリエンス支援の可能性を広げることができたと言える。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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