2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会的排除と表現の現在的諸相:「良心的支持者」の立場に着目して
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25885029
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
長津 結一郎 東京藝術大学, 音楽学部, 助手 (00709751)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 障害 / アウトサイダー・アート / アール・ブリュット / LGBT / クィア / 当事者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、昨年度に引き続き、障害者と性的マイノリティについて、それぞれ2つのフィールドを設定し、マイノリティ当事者である人々とその創造行為に対して、非当事者であるさまざまな人々の関わりがどのようであるか、その関係性について参与観察やインタビュー調査、文献や作品の分析を通じて検討した。その概要について大きく3つの点に分けて概説する。 1つめは、関係性のなかで当事者のもつ性格についてである。当事者とされる人々は、周囲の人々に対して、新たな創造的な行為を行う契機を与えていたり、今まで取り組んで来なかった出来事に取り組むための存在となっていることが明らかになった。その中では、日々の生活を新たな視点で捉え、時にはマイノリティが持つ独自の文化について違和感を持たせるような役割を果たしている。 2つめは、関係性のなかで非当事者のもつ性格についてである。非当事者とされる人々は、マイノリティ当事者の人々が普段行っていることや、持っている文化に対して、別の観点から見ることでの新しい価値付けを行っている。そのことで、マイノリティである「当事者」という概念を拡張していくという傾向が見られた。 3つめは、それらの相互関係についてである。創造の現場では、「当事者」が「非当事者」に創造的な契機を与える一報で、「非当事者」は「当事者」という概念を拡張させたり、境界線を揺り動かそうとしているという関係性であるということがわかった。その中で、「当事者」の側に立つ人々もその概念の拡張を積極的に受け入れる場合に、二者を隔てる境界線が融解し、従来の「当事者」概念では見出すことのできない新しい様相が見られることが明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)