2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
額定 其労 京都大学, 白眉センター, 助教 (10710618)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 前近代 / モンゴル / 裁判 / 原典史料 |
Research Abstract |
平成25年度の研究目的は、前近代(社会主義化以前の)モンゴル裁判制度の全体像の解明にある。具体的には、博士論文では取り扱っていないハルハ・モンゴル(現モンゴル国)とブリヤート・モンゴル(現ロシア連邦ブリヤート共和国)における地方裁判制度について調査研究し、その成果を博士論文で研究した内モンゴル(現中国・内モンゴル自治区)の事例と比較検討することでモンゴル全体における伝統的な裁判制度のあり方を明らかにする。 研究目的を達成するため、国内外における史料調査(ロシア、モンゴル、中国、日本)と在外研究(オックスフォード大学)を行い、それによって得られた研究成果を関連研究会にて口頭発表を行うと同時に、一部を学術論文として取りまとめた。 また、本年度における研究を通して、前近代モンゴルの裁判制度に関する全体的な理解が得られ、それを前提に博士論文の英訳加筆を開始した(英訳加筆した博士論文は二年以内に欧米で単行本として出版する予定である)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①平成25年度中は、博士論文作成時に不足していた一次史料の調査を成し遂げたばかりではなく、当初の予想を上回る数点の新史料を発見した。 ②また、幸いにも2013年12月1日からオックスフォード大学の法社会学研究センター(The Centre for Socio-Legal Studies)において在外研究を行う機会を得た。同大学での資料調査やセミナー発表、非公式な学術交流等の研究活動を通じて、前近代ヨーロッパにおける裁判制度についても広い理解が得られる共に、それらの知見をモンゴルの事例と比較検討することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず博士論文の英訳加筆を継続遂行し、英語での出版に備える。ついで、研究成果の国際学界への発信を積極的に行う。第三に、2015年2月26日~27日に京都大学においてモンゴル法制史に関する国際研究会議を組織、開催し、平成25年度の研究課題の更なる検討を行う。
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