2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
額定 其労 京都大学, 白眉センター, 助教 (10710618)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | モンゴル / 原典史料 / 身分秩序 |
Outline of Annual Research Achievements |
モンゴルは13~14世紀にユーラシア大陸を跨ぐグローバルな政治秩序を構築したことがある。その秩序の根底にあった法のあり方は、今日の法のグローバル化に対しても一定の示唆を与えるものである。それにも拘わらずモンゴル法の歴史像は殆ど未解明のままであり、また既存の研究はそれについて誤って伝えることさえある。その主因について総じて言えば、従来のモンゴル法制史研究は主に漢文史料や法典条文に依拠したためである。 これに対して本研究では、前近代(社会主義化以前の)モンゴル法秩序を生々しく描いたモンゴル語の原典史料を用いてモンゴル法制史研究の再構築を試みる。具体的には、地方レベルで作成された法制史料が豊富に現存する裁判制度と身分制度のあり方を比較法史学の視点から解明することを研究目的とする。 平成26年度中はこの内の身分制度に焦点を当て、前近代モンゴルにおける身分秩序が、伝統的な「三階級カテゴリ」(上中下)から清代の「二階級カテゴリ」(貴族平民)の細分序列化を経て、清朝の官僚システムの序列を模倣した位階制度の確立に至った過程を明らかにした。また、制度と現実の間に大きなギャップがあった実態を解明した。 研究活動として特筆すべきは、(1)2014年4月1日~12月1日においてオックスフォード大学の法社会学研究センターにおいて在外研究を実施し、イギリスの身分制度に関する資料調査を行い、(2)この間、7月6日~7月25日においてパリ第二大学で行われた「大陸法サマースクール」に出席し、フランスを含めたヨーロッパ大陸諸国の身分秩序の歴史について知見を深め、(3)自ら「モンゴル法――新しい問いとアプローチ」と題する国際学術会議(京都大学楽友会館)を組織し本研究の成果について口頭発表を行い、(4)中国・内モンゴル自治区において資史料の調査を成し遂げたことである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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