2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障制度としての成年後見制度の基盤整備に関する研究-ドイツとの比較から-
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25885052
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮本 恭子 島根大学, 法文学部, 准教授 (50709128)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2016-03-31
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Keywords | 成年後見制度 / ドイツ / 介護保険制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ドイツの成年後見制度の現実の解明にとどまらず、それを支える社会保障制度の全体像を示すことにより、日本における社会保障制度としての成年後見制度の方位を探ることを目指した。 平成25年には、基礎的統計を基礎にドイツと日本の介護保険制度の下での成年後見制度の運用の実態を検証した。また、日本の成年後見制度について島根県内の認知症グループホームや養護老人ホームを対象に質問紙調査を実施した。その結果、認知症で契約能力が不十分であっても成年後見制度の利用はあまり進んでいないことが明らかになった。日本では、家族に契約等の意思確認をする場合が多く、新しい成年後見制度が始まっても、それまで通り、後見人として登録していなくても、家族が契約等を行っていることが成年後見制度の利用があまり進まない理由の一つであることが見いだされた。 平成26年度は、ドイツの成年後見制度の運用の実態を現地調査により実施した。ヒアリング調査先は、ベルリン市内の裁判所、法務省、介護施設、NPO法人等である。ドイツでは、社会保障制度の補完性の原則によって成年後見制度も運用されている、成年後見人の優先順位も明確にされており、日本のように正式な手続きをすることなく、家族が本人の代理者と位置付けられることはない。市民後見人の養成も進んでおり、後見人を支える社会的なサポート体制もある。任意後見制度の利用も進んでいる。 日本では、ドイツの成年後見制度の運用の実態を踏まえ、家族の位置付けを明確にすること、後見人を支える体制を整備すること、成年後見制度を介護保険制度や福祉制度と連携させる形でどのように運用するればよいかを検討することが課題である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)