2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 由香里 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 助教 (10706758)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 企業結合 / M&A / のれん / 公正価値測定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、負ののれんの発生原因を、実際のデータを用いた実証分析によって解明することにある。負ののれんは米国ではその発生事例が少なく、実証的な研究がほとんど行われていないが、日本では高い頻度で生じており、その経済的インパクトの大きさから、重要な研究トピックといえる。本研究の目的を達成するため、初年度は主に次の2点を行った。 (1)本研究の目的を達成するためには、貸借対照表に計上されているのれん及び負ののれんのデータのみならず、取得原価や負ののれんの発生金額等、個別案件にかかるデータが重要な役割を果たす。そのため、有価証券報告書の注記や、当該M&Aにかかる適時開示情報から個別案件に関するデータを収集し、データベースの構築を行った。また学会参加等を通じて企業結合会計に関する情報収集を行った。 (2)収集したデータを利用し、負ののれんの発生原因に関する検証を行った。分析結果をまとめて学会報告を行い、参加者から有益なコメントをいただいた。 初年度の研究により、負ののれんの発生原因として、企業結合会計における取得原価の配分、あるいは資産・負債の時価評価が重要な視点となることが明らかになりつつある。そのため最終年度となる平成26年度においては、取得原価の配分について分析を行うとともに、正ののれんとの対称性に関する分析やケース・スタディを行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
負ののれんの発生原因について実証分析を行い、買収プレミアムの大きさというよりは、資産および負債の時価評価に関連している可能性があることが明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、引き続きM&Aの個別案件に関するデータを収集・蓄積するとともに、次の3点について分析を進めたい。 (1)取得原価の配分、あるいはパーチェス法適用時の資産および負債の時価評価の特徴に関する実証分析 (2)負ののれんと正ののれんの対称性に関する実証分析 (3)負ののれんの発生原因に関するケース・スタディ
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Research Products
(2 results)